JRA NHKマイルC(G1)シャインガーネット「桜花賞回避」は裏目!? データが示す激走の可能性は?

 10日に東京競馬場で行われるNHKマイルC(G1)は、今年で25回目を迎える。3歳の牡馬と牝馬のマイラーがぶつかり合うが、これまで牡馬の19勝に対して、牝馬は5勝。今年の牝馬では桜花賞2着のレシステンシアが人気を集めそうだが、シャインガーネット(牝3歳、美浦・栗田徹厩舎)も実力馬の1頭だ。

 美浦所属のシャインガーネットだが、前走は中京で行われた1400mのファルコンS(G3)を選択。これが功を奏し、牡馬相手に快勝、賞金加算に成功した。桜花賞(G1)という選択肢もあったが、あえてスピード自慢の牡馬たちに挑む。

 記憶に新しい牝馬クラシック第1弾の桜花賞は、デアリングタクトが桁違いの強さを見せて完勝。シャインガーネット陣営にとって、桜花賞を見送ったことは結果的に正しい選択だったようにも見える。

 ただし桜花賞に出走していた方が好走した可能性は高かったかもしれない。

 その理由がシャインガーネットの「キャリアの浅さ」だ。これまで新馬戦からファルコンSまで合計4戦をこなしてきたシャインガーネット。3歳5月の時点で4戦なら、キャリアが浅いとまでは言えない。しかし過去10年(2010~19年)の桜花賞とNHKマイルCのキャリア別成績を見ると、大きな違いがある。

 【桜花賞キャリア別成績、2010~19年】
 4戦以下 7-7-7-47(10.3%/20.6%/30.9%)
 5戦以上 3-3-3-101(2.7%/5.5%/8.2%

 【NHKマイルCキャリア別成績、2010~19年】
 4戦以下 2-4-3-27(5.6%/16.7%/25.0%)
 5戦以上 8-6-7-123(5.6%/9.7%/14.6%)
 ※カッコ内は左から勝率、連対率、複勝率

 シャインガーネットが該当する「キャリア4戦以下」を抜き出してみると、桜花賞「7-7-7-47」に対し、NHKマイルCは「2-4-3-27」。牝馬限定の桜花賞では「4戦以下」の比較的キャリアが浅い馬の方が好成績を残している。

 一方で牡馬の一線級マイラーも出走するNHKマイルCは、ある程度レース数を経験している馬が優位ということがわかる。数字上では、桜花賞に出走していた方がベターだったという可能性は否定できない。

 またシャインガーネットにとって前走から「距離延長」で臨むという点も不安要素の一つだ。

 距離延長組は過去10年「0-2-0-39」と2着が精いっぱい。短縮組の「3-6-5-31」、同距離組の「7-2-5-80」と比べても苦戦は必至だ。ファルコンS組も「0-1-0-12」と相性は悪い。

 明るい材料は鞍上・田辺裕信騎手の存在だ。4戦中3戦でコンビを組み、全3勝を挙げている。また田辺騎手は東京芝1600mのコースは大の得意。これまでJRAのG1で3着以内は11回を数えるが、そのうちロゴタイプで勝った2016年安田記念を含む4回が東京マイルで挙げたものだ。

 田辺騎手の存在は心強いものの、桜花賞を回避した選択が悪い方向に転ばなければいいのだが……。

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