JRA NHKマイルC(G1)唯一の敗戦はO.マーフィー「猛省」の暴走劇!? マイル4戦3勝サクセッションに「テレグノシス級」の不気味さ
10日、3歳のマイルG1・NHKマイルC(G1)が東京競馬場で行われる。
桜花賞(G1)2着から、ここへ駒を進めたレシステンシア、毎日杯(G3)で3連勝を飾ったサトノインプレッサなど、前走重賞で馬券になった馬が10頭も出走登録している。
そこへ、スプリングS(G2)3着のサクセッション(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が、皐月賞(G1)へは向かわず、3歳マイル王の称号を求めて参戦してくる。
前走のスプリングS(G2)では1800mで優先出走権を獲得したにもかかわらず、皐月賞(G1)をパスしてNHKマイルCへ。スローの流れにやや折り合いを欠いたことが敗因だったため、距離を2000mに延長するよりも、流れが速くなりやすい1600mに矛先を向けたというわけだ。
そんなサクセッションのマイル戦績は、ここまで4戦3勝と出走メンバーでもトップクラスの実績だ。しかし、重賞勝ちはなく、唯一敗れたのが昨年11月に行われたデイリー杯2歳S(G2)だった。
デビュー2連勝を飾り、前走のアスター賞(1勝クラス)でも、スタートで後手を踏みながら巻き返して1馬身半差の完勝。2着ヴェスターヴァルトは後のファルコンS(G3)3着馬だ。3戦目のデイリー杯2歳Sでも2番人気と高い支持を集めていた。
しかし、レースでは好位から早め先頭に立つも、1番人気のペールエールにマークされる厳しい展開。1000m通過59.7秒から2ハロン連続で11.4秒では、さすがに失速は免れないか。ラスト200mで両馬とも失速し、差し馬の台頭を許してしまった。
結果は6着惨敗。これには鞍上のO.マーフィー騎手も「あそこで前に出たのは、自分の判断ミス」と早仕掛けを猛省していたという。
「陣営はこの結果を見て、サクセッションに控える競馬を教えるようになりました。その後、次走のジュニアC(L)では中団から早め進出で、最後は2馬身半差の快勝。いきなり対応する辺りに、この馬の高いレースセンスが窺えますね。マーフィー騎手もデイリー杯2歳Sの借りを返さんとばかりに完璧なレース運びでした」
スプリングSで皐月賞の優先出走権を獲りながらも、NHKマイルCに矛先を定めるローテーションは2002年の勝ち馬テレグノシスを彷彿とさせる。
最終追い切りでは今回コンビを組む横山典弘騎手を背に、美浦のWコースで3頭併せ馬。見守った国枝栄調教師は「前半行きたがった」と注文を付けたが、馬なりのままあっさりと先着した動きを見て「スムーズな稽古ができたかな」と合格点。仕上がりに不安はなさそうだ。
また、横山典騎手は息子の横山武史騎手とG1で初対決。横山武騎手はここまで27勝を挙げ、先週ついに関東リーディングに君臨。先月のフローラS(G2)で初重賞を飾るなどノリにノッているジョッキーだけに、ここで父の威厳を見せつけたいところだ。