JRA新潟大賞典(G3)「超大穴」に復活条件そろった!? アドマイヤマーズを追い詰めた14番人気2着の激走から1年
今週から第3場開催の舞台が福島競馬場から新潟競馬場に移り、日曜日には新潟大賞典(G3)が行われる。ハンデ戦らしく、過去10年で一度も1番人気は勝っておらず、2015年から5年連続で馬単配当が万馬券と荒れる要素満載のレースだ。
そんな中で注目したいのは、18年の新潟2歳S(G3)を制したケイデンスコール(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。
これまで左回りを中心に使われ、メンバー16頭で唯一、新潟芝コースで2勝を挙げている。新潟での重賞勝ち馬もケイデンスコールだけだ。そんな新潟巧者だが、前日最終オッズは11番人気の24.1倍と盲点になっている。
人気薄の理由は、過去4戦がいずれも凡走(14、17、12、7着)に終わっている点に尽きる。
しかし血統的に激走する可能性は十分ある。ケイデンスコールの母インダクティは現役時代、29戦2勝に終わったが、ローカルの条件戦では人気薄でたびたび好走し、穴をあけていた。
その母の兄弟には、バランスオブゲーム、フェイムゲームという2頭の重賞馬がいる。ともにG1制覇はかなわなかったが、中長距離の重賞戦線で長く活躍した。ともに惨敗後でも得意な条件下では突如激走するという特徴を持ち合わせていた。2頭合わせて重賞制覇は実に13回を数える。
ケイデンスコールも凡走が続いているが、得意の新潟で一変があってもおかしくない。時期的にもアッと驚かせる要素がある。ちょうど1年前のNHKマイルC(G1)で、14番人気の低評価を覆し、アドマイヤマーズの2着に好走。馬連配当17200円という波乱を演出した。これも久々に左回りに戻っての結果だ。
鞍上の中谷雄太騎手にとっても、是が非でも取りたい重賞タイトルだろう。“グランプリ男”池添謙一騎手と同じ1998年デビューの中谷騎手。これまでJRAの重賞に80回騎乗しているが、未勝利のまま40歳を迎えた。
騎手生活10年目の2007年には「61戦0勝」という大不振に陥り、引退危機を迎えたこともある。転機はデビュー18年目の2015年。慣れ親しんだ美浦から、名手ぞろいの栗東に完全移籍を果たした。
美浦時代は年間10勝がやっとという成績だったが、栗東に移籍した15年以降は5年連続で10勝以上を挙げ、16年には自己最多の25勝をマーク。15年朝日杯FS(G1)と17年ホープフルS(G1)では、ともに3着と大舞台で結果も残した。
しかし2018年に落馬事故で大ケガをしてしまう。8か月近いリハビリ生活を経て、同年末に復帰したが、負傷前に比べると成績は下降気味だ。
今年もまだ3勝と調子が上がってないが、今回はJRA全10場で最多33勝と相性のいい新潟競馬場が舞台。1年前に激走したケイデンスコールとのコンビで悲願の重賞制覇を狙う。