JRA【ヴィクトリアマイル(G1)展望】最強女王アーモンドアイが始動!サウンドキアラ、ラヴズオンリーユーも下剋上に虎視眈々
17日、東京競馬場では古馬牝馬最強マイラー決定戦となるヴィクトリアマイル(G1)が行われる。この先の安田記念(G1)、宝塚記念(G1)に向けても見逃せないレースとなりそうだ。
目玉となるのはアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)の参戦だ。単勝オッズ1.5倍の支持を受けながらも9着と敗れた昨年の有馬記念(G1)からの巻き返しを期す。今年はドバイターフ(G1)からの始動を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で中止となり、ヴィクトリアマイルが復帰初戦となった。
天皇賞・秋(G1)を圧勝して臨んだ有馬記念の敗戦は、1週目のスタンド前で引っ掛かってしまい、ガス欠となったことが敗因ともいわれているが、香港C(G1)を熱発で回避した影響も少なからずあったのではないだろうか。
順調さを欠いた前走に比して今回の調整過程は順調だ。国枝師も「体調面で気にするところはなく、普通にこられています」と不安はない。女王復権の準備は着々と整っている。
そんな女王に対して、下剋上を狙っているのがサウンドキアラ(牝5、栗東・安達昭夫厩舎)だ。昨年のヴィクトリアマイルでは7着に敗れたが、この1年で着実に力をつけた。今年に入って京都金杯(G3)、京都牝馬S(G3)、阪神牝馬S(G2)と重賞3連勝を達成。4月26日の落馬負傷で心配された松山弘平騎手も今週から復帰。人馬ともに今年ブレイクしたコンビで女王打倒を目指す。
昨年のエリザベス女王杯(G1)以来のレースとなるラヴズオンリーユー(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)も侮れない。前走では自身初の敗戦となる3着に敗れはしたが、クロノジェネシスをオークス(G1)に続いて負かした。そのクロノジェネシスが大阪杯(G1)を際どい2着に好走したように世代トップクラスの力は証明している。鋭い末脚を持つ馬だけに、直線の長い東京コースは歓迎だろう。
1分30秒5のレコードで昨年のヴィクトリアマイルを優勝したノームコア(牝5、美浦・萩原清厩舎)の連覇がなるかにも注目したい。昨年暮れの香港マイル(G1)を4着に敗れて以来のレースとなった今年の高松宮記念(G1)で15着と精彩を欠いたが、余裕残しの馬体と初体験となる1200mの流れに持ち味が生きなかった。2戦2勝の得意舞台である東京の芝1600mに替わり、反撃は必至だろう。
プリモシーン(牝5、美浦・木村哲也厩舎)は、昨年のヴィクトリアマイルでノームコアの2着に惜敗した。東京新聞杯(G3)を快勝して、ダービー卿CT(G3)に臨んだものの、スローの展開に末脚不発の5着に敗れた。切れ味が武器の馬だけに東京コースで真価を発揮したい。
他にも昨年の府中牝馬S(G2)で今年の大阪杯を制したラッキーライラック相手に差し切り勝ちを決めたスカーレットカラー(牝5、栗東・高橋亮厩舎)、武豊騎手と初コンビを組むコントラチェック(牝4、美浦・藤沢和雄厩舎)、阪神JF(G1)以来のG1勝利を狙うダノンファンタジー(牝4、栗東・中内田充正厩舎)など、伏兵陣も多彩な顔触れが揃った。
アーモンドアイの復活勝利となるか、それともこれを阻止する馬が現れるか。
注目のヴィクトリアマイルは、17日、15時40分の発走を予定している。