JRA D.レーン「自己ワースト」重賞連敗ストップなるか!? 京王杯SC(G2)ダノンスマッシュ「1ハロン延長&左回り」克服が鍵
そろそろこの男が本領を発揮する頃だろう。昨年4月に短期免許で初来日を果たし、約2か月という短い間にヴィクトリアマイルと宝塚記念を含む重賞6勝を挙げたD.レーン騎手。年末には“特例”で有馬記念にも参戦。見事、リスグラシューを勝利に導いたのは記憶に新しい。
有馬記念も含めて2019年はJRAの重賞で「7-0-1-6」。勝率50%という圧巻の記録とすさまじい衝撃を残した。しかし、今年は皐月賞の週から手綱を取っているが、重賞では「0-2-1-1」と勝ち切れていない。
今週は日曜日にヴィクトリアマイル(G1)でプリモシーンに、前日の土曜日には京王杯スプリングC(G2)でダノンスマッシュ(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)に騎乗を予定している。
ダノンスマッシュは、前走の高松宮記念(G1)で3番人気に支持されたが、10着に敗退。香港スプリントも含めてG1レースでは通算「0-0-1-5」と大舞台での勝負弱さが再び露呈した。G3を4勝しているダノンスマッシュにとって、今回は初のG2挑戦となるが、「距離延長」と「左回り」という2つの不安を払拭する必要がある。
デビュー戦から3歳春にかけて1400~1600mを使われていたダノンスマッシュ。3歳春以降は1200mに専念し、直近の11戦は全て1200mを使われてきた。今回は約2年ぶりに距離を延長し、1400m戦に臨む。ただし、この距離は通算「2-1-0-1」と全くダメというわけではない。
むしろ不安は「左回り」の方だろう。これまで全ての勝ち鞍を挙げるなど、右回りは「7-1-1-3」だが、左回りは「0-1-0-4」と顕著な差が結果として残っている。
「前走の高松宮記念で手綱を取った川田将雅騎手はレース前、『私自身左回りは乗っていないのですが、そこに関しては心配していません』と自信を見せていましたが、結果は惨敗でした。数字が示す通り、右回りの方が得意なのは明らかです。今回は久々に距離も延びますし、今後を占う上でも重要な一戦になるでしょう。2つの不安材料はありますが、鞍上(レーン騎手)が新たな一面を引き出してもおかしくないと思いますよ」(競馬誌ライター)
レーン騎手は、東京芝1400mで通算7勝をマークしている。これは東京芝1600mの8勝に次いで多い。また、勝率36.8%は芝、ダート問わず、10走以上したどのコースよりも高く、コース相性は抜群といえるだろう。
さらに、今年1番人気が予想されるタワーオブロンドンとのコンビで昨年のこのレースを制しており、いいイメージでレースに臨めるはず。またライバル馬の“癖”を把握している点も大きなアドバンテージとなるだろう。
そのタワーオブロンドンにはルメール騎手が騎乗を予定。1番人気ルメール、2番人気レーンとなれば、昨年の有馬記念を思い起こさせる。舞台は違うが、レーン騎手は5か月前と同じ「優勝」という結果を導き出せるか。そして自身の重賞連敗を自己ワーストの「4」で止めることはできるだろうか。