JRA川田将雅「リーディング」今日にも陥落か。「今年こそはルメールさんに勝って――」も早過ぎる危機にあった、2つの「計算外」とは
「1つは新型コロナウイルスの影響による、騎手の移動制限ですね。例年、関東で多くのG1開催がありますが、昨年の川田騎手は土曜日に関西でしっかり勝ち星を稼ぎ、日曜日にG1のある関東に遠征することが多かったんです。
一方のルメール騎手は、昨年リーディングを獲った際も関東での勝ち星が関西を上回ったように、土曜日から関東へ遠征していました。
その結果、川田騎手は土曜日に勝ち星を量産できていたわけですが、今は関東のG1に騎乗するためには、土曜日から遠征しなければなりません。その結果、川田騎手は頼みの綱の土曜日に、思うように勝つことができなくなったということです」(別の記者)
実際に、明日のオークス(G1)に騎乗するため、土曜日から東京に参戦した川田騎手だったが、騎乗はわずか4鞍で、1番人気も1度と非常に厳しい内容だった。一方、同じ東京で10鞍に騎乗し、1番人気も5度のルメール騎手は充実のラインナップ。
川田騎手はいわば「戦う前から半ば負けていた」ということだ。
また前出の記者曰く、現在短期免許で来日中のD.レーン騎手の存在も、川田騎手の“伸び悩み”に大きな影響を与えているという。
「リーディング獲得に欠かせない“馬質”ですが、昨年はルメール騎手と川田騎手が有力馬を二分するといった状況でした。しかし、現在は4月末からレーン騎手が来日し、尽く有力馬に騎乗している状況……。その煽りを最も受けているのが、東京に参戦した際の川田騎手ではないでしょうか」(同)
実際に5月だけを見ても、地元の京都では18鞍中1番人気が10回もあった川田騎手だが、東京に遠征すると11鞍でわずか3回。勝ち星にしても川田騎手の7勝に対して、ルメール騎手は14勝、レーン騎手が16勝と、この2人を相手に相当厳しい戦いを強いられているようだ。
「ルメールさんに(リーディング争いで)負けてしまったことは、とても情けなく思います」
1月のJRA授賞式で昨年の最高勝率を獲得した川田騎手は、壇上であえて自らを責めた。迫られたとはいえ、まだ2勝は川田騎手が上にいることは事実。まだまだリーディング争いの火を燃やし続けたまま、2020年の競馬を盛り上げてほしいところだ。