JRA日本ダービー(G1)「37年ぶり」コントレイル、サリオスはジンクスを打ち破れる!? 皐月賞組「圧倒的有利」も、馬券はひとひねり必要か?
31日、東京競馬場で競馬の祭典・日本ダービー(G1)が開催される。先週のオークスではデアリングタクトが63年ぶりとなる無敗の2冠馬に輝いたばかり。今週も、無敗の2冠馬に挑戦するコントレイルが圧倒的1番人気に支持されることが予想される。
過去10年の日本ダービーで1番人気の成績は【3,1,3,3】で、勝率30%、複勝率に至っては70%と抜群の相性を誇っている。さらに勝ち馬のうち7頭は、3番人気以内と人気馬が活躍する傾向にある。
また、皐月賞組がダービーで好成績を収めていることも、コントレイルにとって歓迎材料だろう。勝率9.3%、連対率17.4%、複勝率23.3%は、他の前哨戦と比較してもすべてにおいてトップの成績である。
さらにコントレイルのみならず、皐月賞組を後押しする要因は前哨戦の結果だ。
京都新聞杯(G2)の勝ち馬ディープボンド、プリンシパルS(L)の勝ち馬ビターエンダーはそれぞれ皐月賞(G1)で10着、14着に敗れている。すでに勝負付けが済んだという見方もできるため、皐月賞の上位馬にとっては恐れるに足らずといったところではないだろうか。
その一方、前哨戦の青葉賞(G2)を2分23秒0の好時計で制したオーソリティが、皐月賞組への逆転候補に思われた。だが、ケガで出走を断念することになってしまい、皐月賞組を脅かすことにはならなかった。
結局、京都新聞杯2着のマンオブスピリット、青葉賞2着のヴァルコスは皐月賞組と初対戦になるが、逆転候補に挙げるには荷が重いだろう。実際に、過去10年で両レースの勝ち馬は計6頭がダービーでも馬券に絡んでいるが、2着馬で馬券に絡んだのは昨年のロジャーバローズと13年のアポロソニックの2頭だけ。かなり厳しい戦いが強いられることになりそうだ。
この状況を踏まえると、ただでさえ有利な皐月賞組がより際立つだろう。特に皐月賞で圧倒的なパフォーマンスを見せたコントレイル、サリオスの2頭はダービーでも上位濃厚に思われるはずだ。
だが、意外にも皐月賞の結果がそのままダービーにスライドしたというケースは、1983年の1着ミスターシービー、2着メジロモンスニーまで「37年」も遡らなければならない。1着、2着の入れ替わりでも、95年の皐月賞をジェニュイン、ダービーをタヤスツヨシが制した「25年」前である。
皐月賞組が優位な傾向にあるにもかかわらず、これだけの間、ダービーで皐月賞の1、2着馬決着がなかったということは伏兵が上位に食い込んだことの表れである。今年はコントレイル、サリオスがワンツーを決めるという見方が強いが、容易なことでないかもしれない。
ちなみに83年の枠連が480円、95年の馬連は590円という配当だった。高額馬券を狙うファンにとっては物足りない内容だろう。そういったファンは「長年の間、皐月賞の1、2着馬の決着はない」と腹をくくって、伏兵の活躍を願う方が良いかもしれない。
果たして今年の日本ダービーは久々の皐月賞のワンツー決着となるのか、それとも意外な伏兵の台頭となるのか。レース当日を楽しみにしたい。