JRA横山典弘マイラプソディ日本ダービー(G1)渾身の大マクリ! オークス(G1)ウインマリリンに続き「2週連続」大暴れ! キングオブコージで目黒記念(G2)制す
今年の競馬の祭典・日本ダービー(G1)は福永祐一騎手の1番人気コントレイルが2着サリオスに3馬身差をつける圧勝で無敗のクラシック2冠を達成した。菊花賞(G1)を勝てば史上8頭目となる3冠馬に向け、秋への期待は膨らむばかりだ。
コントレイルの強さが目立った今年のダービーだが、名手・横山典弘の手綱捌きが冴えた日曜東京だったともいえそうだ。
オークス(G1)では、8枠16番からのスタートとなった7番人気ウインマリリンで果敢な先行策から内へ潜り込み、デアリングタクトと半馬身差の2着に食い込んだ。ただ前に行くだけではなく、追い出しをワンテンポ遅らせるというベテランらしい見事な手綱捌きを披露した。
日本ダービーで横山典騎手が騎乗したのは、デビューから3連勝で昨年の京都2歳S(G3)を制し、クラシック候補の期待が大きかったマイラプソディ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)。皐月賞を13着に敗れ、今回は主戦の武豊騎手がサトノフラッグに騎乗したために託された。
11番人気と大きく評価を落とした横山典騎手とマイラプソディのコンビは後方から2番手につける待機策を選択した。だが、先頭に立ったウインカーネリアンが思いのほかスローペースに落としたこともあり、800m過ぎから一気に外から大マクリを決める。果敢に先頭に立ったマイラプソディは残り300mまで先頭を守ったものの、力尽きて9着に敗れた。
敗れたとはいえ、1000m通過61.7秒という緩慢な流れに一石を投じた横山典騎手の『賭け』は、大いにレースを引き締める結果となった。また、陣営がマイラプソディの近走の不振を体よりも心に原因を疑うコメントもしていたことから、そういう意味では一見、無謀に思えるこの大マクリも復活へのカンフル剤となったかもしれない。
「オークス、ダービーと続いた東京開催で横山典騎手の存在感は際立っていました。『ノリなら何かやってくれそうだ』という期待が持てる騎乗ぶりでしたね。今年ブレイクした息子の武史騎手の活躍もいい刺激となっているようです。
最近はかつてのような『ポツン』騎乗も見なくなりましたし、ノームコアに騎乗を予定している安田記念(G1)でも台風の目となるかもしれません」(競馬記者)
11Rのダービーで大マクリを決めた返す刀で、1番人気キングオブコージに騎乗した12Rの目黒記念(G2)を勝利した横山典騎手。後方からレースを進めながらロスなく馬群をすり抜けたように、『横山マジック』はまだまだ健在である。
来週の東京も冴え渡るベテランの手綱捌きから目が離せなさそうだ。