JRA安田記念(G1)「8冠阻止」アーモンドアイを倒す条件に一致!? 復活をかけるあのコンビが女王打倒の最大のチャンス!
7日、東京競馬場で行われる春の最強マイラー決定戦・安田記念(G1)には、ヴィクトリアマイル(G1)を制して「7冠馬」となったアーモンドアイが出走する。史上初となる「8冠」を狙う最強女王相手にライバルたちはどう立ち向かうのか。
主戦・C.ルメール騎手が「僕が今まで乗ってきた中で一番強い」と豪語するアーモンドアイの前走ヴィクトリアマイルは圧巻のひと言だった。6枠12番のスタートから先行勢の外目4番手にスッとつけると馬なりで追走。直線ではノーステッキで2着サウンドキアラに4馬身の差をつける大楽勝で7冠目のG1を手に入れた。
勝ち時計1分30秒6は昨年の勝ち馬ノームコアが記録した1分30秒5のレコードと0.1秒差の快時計となった。ムチを入れて追っていたらレコード更新はほぼ確実だったかもしれない。
昨年の安田記念はスタートして急激に内へ切れ込んだロジクライの煽りを受けて大きく体制を崩したことが致命傷となった結果、インディチャンプの3着と不覚を取った。だが、「まともなら」勝っていた可能性は非常に高かっただろう。ルメール騎手が「昨年のリベンジ」をリクエストしたことからも悔しさが垣間見える。
好位につけて上がり3F32秒9の最速で突き抜けたヴィクトリアマイルの内容からも完全無欠にすら思える最強女王を倒すことは非常に困難だろう。ではこれを打倒するにはどのようなレースが望ましいだろうか。
まず、鋭い切れを持つアーモンドアイを後ろから差し切るというのはほぼ不可能に近い。間隙を突くには出し抜くことが前提となるだろう。紛れが多くなる悪天候もプラスアルファとなりそうだが、これは不確定要素のため重視はしない。アーモンドアイよりも前で競馬をするか、少なくとも同じくらいの位置取りが絶対条件となりそうだ。
イメージとしては4、5番手くらいからの上がり勝負に耐えられる末脚の持ち主であることだ。かつ、速い時計の出やすい東京の芝を考慮すると時計勝負に対応できる適性も望まれる。出走馬で該当しそうなのはダノンキングリー(牡4、美浦・萩原清厩舎)だ。
今年初戦となった中山記念(G2)を快勝し、勇躍して大阪杯(G1)に臨むも3着に惜敗。またしてもG1勝利とならなかった同馬だが、これまでの経験の集大成となりそうなのが安田記念の舞台である。
デビュー以来、初の逃げる競馬となった大阪杯だが、昨年のマイルCS(G1)でも5着と精彩を欠いたが、3着をはずしたことがない関東に比べると、関西ではパフォーマンスを落としていることも無関係ではなさそうだ。
対する東京競馬場では無類の強さを見せている。2歳の共同通信杯(G3)では、後にNHKマイルC(G1)と香港マイル(G1)を勝つアドマイヤマーズを32秒9の上がりで切捨て、2分22秒6のレコードを記録した昨年の日本ダービー(G1)は勝ち馬ロジャーバローズとタイム差なしの2着となった。
さらに秋の毎日王冠(G2)では安田記念でアーモンドアイに先着したアエロリットとインディチャンプを自身が出遅れる不利がありながらも大外一気に切り捨てている。このときの勝ち時計1分44秒4は、コントレイルがレコード勝ちした昨年の東スポ杯2歳S(G3)の1分44秒5を0.1秒上回った。このレースがハイレベルだったことはコントレイルが無敗の2冠馬となったことでも間接的に証明されている。