【徹底考察】天皇賞・秋(G1) モーリス「札幌記念でまさかの敗戦を喫したマイル王が挑む距離の限界。しかし、最大の『不安材料』は距離よりもむしろ……」
確かに札幌記念で2着に敗れたことにより距離が不安視されているモーリスだが、レース展開や雨を敗因に挙げる声も少なくない。春はやや順調さを欠いたローテーションだったが、この秋はここまでしっかりと調整が重ねられている。
ただ、モーリスには左回りで手前を替えない癖が散見される。
今年や昨年の安田記念では、最後の直線に入ってもなかなか手前を切り替えずに伸びを欠いている傾向がみられた。そのせいで昨年は勝ったもののヴァンセンヌにクビ差まで迫られ、今年はロゴタイプに1馬身1/4の差をつけられて完敗している。
香港G1の圧勝劇も含め7連勝の内、昨年の安田記念が最も危ないレースだったことからも、モーリスが左回りに弱点を抱えている可能性は高い。
無論、それは陣営も承知しており矯正してくると考えられるが、天皇賞・秋の舞台は安田記念と同じ東京。左回りで悪癖が再発すれば、直線で思わぬ失速が起こり得るかもしれない。
したがって、モーリスの不安材料は距離よりも、むしろ「左回りの東京」という舞台設定ということになる。
過去にトーセンジョーダンやヘヴンリーロマンス、エアグルーヴなどが札幌記念からの直行で好走しているように、天皇賞・秋に実績のあるローテーション。春は順調さを欠いたが、この秋は昨年のような強い姿が見たい。
(監修=永谷研(美浦担当))