【徹底考察】天皇賞・秋(G1) アンビシャス「その力は『G1級』も期待された宝塚記念でまさかの16着。世代屈指の大器は何故、大敗したのか」
血統的に見ても母方は重厚な欧州血統で、実際に宝塚記念を制したのはアンビシャスと同じ、ディープインパクト×エルコンドルパサーのマリアライト。この馬が雨を苦手にしているというのは、苦しい見解なのではないだろうか。
【血統診断】
近親の活躍馬はオークス4着のニシノアカツキ程度だが、ディープインパクト×エルコンドルパサーの配合となると、エリザベス女王杯と宝塚記念を制したマリアライトがいる。
母系にはダート王ヴァーミリアンや菊花賞馬ソングオブウインドを輩出したエルコンドルパサー、サクラローレルを送り込んだレインボウクエスト、ネオユニヴァースの母父にあたるクリスと、欧州寄りの重厚な血が流れている。
そのため、距離に限界のあるディープインパクト産駒であっても十分なスタミナがあるはずだ。現在は気性面の都合で1800mや2000mで実績を残しているが、折り合いで進境を見せれば2400mでの活躍も見込める血統背景である。
また、宝塚記念の敗因として雨が挙げられているが、血統的には雨は問題ない。むしろ欧州色の強い母方の血は、馬場が荒れることで他馬よりも有利になってもおかしくはないほどパワーに溢れる血統だ。実際に前走の毎日王冠は宝塚記念と同じ稍重で好走しており、今後も雨で重くなったからといって軽視するのは避けた方が良さそうだ。
すでにG1級の力を秘めているが、エルコンドルパサー×レインボウクエスト×クリスはどちらかといえば奥手の傾向にある。すでに昨年の天皇賞・秋よりも10kgほど増えた馬体で出走できそうだが、もう一皮むける可能性のある血統だ。