JRA函館開催「20時以降外出禁止」に早くも“違反者”が!? 調教師会の“措置”に滞在者は戦々恐々……
先週末から函館開催がスタートし、今週末にはサマースプリントシリーズ第1戦・函館スプリントS(G3)が開催される。いよいよ夏競馬の到来となったわけだが、今年の函館開催は新型コロナウイルスの影響で開催自体が危ぶまれた経緯があり、綱渡りでの開催となりそうだ。
北海道開催は多くの人馬が滞在するため、地元住民からすれば感染拡大のリスクが高まるという見方もされてしまう。
実際に、まだ1週間しか経っていないが、早くもトラブルの報告があがっている。
「滞在中の移動手段としてマイカーを北海道に持ち込んだジョッキーがいるのですが、ガソリンスタンドで給油しようとしたところ、『申し訳ないですが、他県の方の利用はご遠慮してもらっています。決まり事なので……』と他県ナンバーという理由で店員に断られてしまったそうです。ただ、その店員から丁寧に他のガソリンスタンドを案内してもらい、事なきを得たようです」(競馬記者)
先日も馬運車に向かって「函館に来るな、帰れ!」と罵声を浴びせられるということが起きたという話もあり、函館の住民から競馬関係者は厳しい目で見られていることは間違いないだろう。
そのため、函館に滞在する関係者には「家族帯同の禁止」や「20時以降の外出禁止」というルールが設けられている。例年、北海道を満喫することを目的に滞在する関係者が多いことから、今年のルールはまるで“監獄”とまで揶揄される厳しい内容かもしれない。だが、これは地元への配慮とともに、競馬開催継続のために守らなくてはならないものだ。
しかし、さっそく“違反者”が出てしまったようだ。
「ある厩舎スタッフが羽目を外して函館の街で飲み歩いて20時の門限を破ってしまったようです。本人は大した問題ではないだろうとタカを括っていたようですが、これがすぐに知れ渡り開催前に強制送還されたみたいですね。調教師会の本気度を目の当たりにし、他のスタッフは戦々恐々としているようです」(同)
まるで“見せしめ”のような出来事となったわけだが、今後の函館開催を円滑に進めるために必要な措置だろう。
今でこそ世間は徐々に日常生活に戻りつつあるが、競馬はSTAY HOMEで楽しめる娯楽として世の中に一役買ってきた。また、馬券売り上げの一部は国庫納付金として、国の経済対策にも貢献している。この裏には、新型コロナウイルス感染防止対策を講じてきた関係者の努力があったから、一度の開催中止もなく今に至っているのだ。
それを一部のモラルなき行動で台無しにするということだけは避けてほしいところである。無事に北海道開催が終えられることを願うばかりだ。