JRA「1億9440万円」スワーヴエルメは異色の血統!? 期待の大器は連敗ストップで父ドゥラメンテの名誉を挽回できるか
春のグランプリ・宝塚記念(G1)で盛り上がりを見せる今週だが、27日の土曜東京でデビューを予定しているスワーヴエルメ(牡2、美浦・堀宣行厩舎)に新馬勝ちの期待が大きい。
父はクラシック2冠を制したドゥラメンテ、母アイムユアーズは桜花賞3着馬の良血だ。新種牡馬としてモーリスとともにデビュー前の評価が高かったドゥラメンテ。だが、6月から始まった新馬戦ではアスコルターレこそ勝利したが、1番人気に支持されたテネラメンテやグランデフィオーレが凡走。全体成績でも【1.0.0.8】ともうひとつ波に乗れていない印象だ。
デビュー前から話題になっていた堀厩舎の管理馬はモーリス産駒のブエナベントゥーラとドゥラメンテ産駒のスワーヴエルメの2頭である。先にデビューしたブエナベントゥーラが2着に敗れただけに、スワーヴエルメにかかる期待はさらに大きくなった。
また、スワーヴエルメの血統も異色だろう。父ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴは名牝エアグルーヴの仔で、いわゆるダイナカール一族だ。そして母アイムユアーズの母セシルブルースはエアグルーヴの姉セシルカットの仔である。
その結果、血統構成はダイナカールの4×4という近親交配となっている。セレクトセールで1億9440万円という高額で取引されたことからも超良血馬といえるだろう。
「ノーザンファームとしても自信を持って新馬戦に送り出したモーリス、ドゥラメンテの産駒が結果を出せていないことは大きな誤算だったでしょう。このまま不振が続くと種牡馬失敗の評価をされる恐れが出てきます。
血統的にも申し分ないですし、走る馬を出すダイナカールの一族ですから落とせない一戦となるでしょう。どちらかというと晩成型の血統ではありますが、6月にデビューさせるということは仕上がりが予想以上に早かったのかもしれませんね。それだけにスワーヴエルメに寄せられる期待はかなり大きいです」(競馬記者)
スワーヴエルメにとって心強いのはひとつ上の半姉モーベット(父オルフェーヴル)が、昨年6月のデビューで勝ち上がっていることだ。姉に続き勝利を挙げて、まずは父であるドゥラメンテの名誉挽回が急務となる。
ユニコーンS(G3)を同じく堀厩舎の期待馬カフェファラオで圧勝したD.レーン騎手の手綱捌きにも注目したい。