JRA「レース放棄」に西山茂行オーナーもがっくり!? 「ゲートの中でお茶を……」愛馬がスタートから微動だにせず失格……
学生時代、強烈な朝寝坊をやらかしてしまい、そのまま学校を休んでしまった経験があるのは筆者だけではないだろう。もしかしたら、この日のニシノジャガーズも、そんな気持ちだったのかもしれない。
27日、東京競馬場で行われた清里特別(2勝クラス)は、1番人気のグレートウォリアーが快勝。だが、ある意味で最も目立ったのは、大出遅れをかましたニシノジャガーズだった。
もはや「出遅れ」とさえ、述べて良いのだろうか……。16頭立てで行われたダート1400mのレース。ゲートが開き、各馬がスタートしたと思いきや、1頭だけゲートから出てない馬がいる。ゲートの中で後ろ脚を踏ん張って直立したまま、まったく動かないのはニシノジャガーズだ。
競馬における発馬は、レースの勝ち負けを左右する重要なファクターだ。好スタートを決めた逃げ馬には大きなアドバンテージとなり、逆に出遅れてしまった馬には致命的なビハインドとなることも珍しくはない。
しかし、この日のニシノジャガーズはそういった“当たり前”から脱した。レースに参戦すること自体を拒否してしまったのだ。
「ニシノジャガーズのゲート難は関係者の間では有名で、実は前走も大きく出遅れてJRAから約3カ月間の出走停止と、発走調教再審査が義務付けられていました。今回は、再審査を乗り越えての出走だったんですが、まさかゲートから出ることすらしないとは……。
結果的にニシノジャガーズは、そのまま競走中止扱いになって失格。処分発表は明日の裁定委員会の議定を終えてからということになりますが、繰り返しどころか“症状”が重くなっていますからね……」(競馬記者)
ニシノジャガーズの西山茂行オーナーも前回の大出遅れの際は、自身のブログを通じて「やっちまった。みんながスタートしているのに、まだニシノジャガーズだけゲートの中でお茶を飲んでいた」と、独特の表現で落胆を綴っている。
結果的に、ほぼレースに参加できずに大敗したこともあって「参りました。馬券を買ってくれた方々には謝るしかありません。申し訳ありませんでした」と責任を感じている様子だった。
「競走馬はデビュー前の馴致の段階からレースに対する訓練を受け、本能的に集団で走りたがるのでゲートが開いて周りの馬が飛び出すと、たとえ出遅れても基本的にはついて行こうとするんですが、今日のニシノジャガーズは微動だにしませんでしたね……。
前回の出走停止の際に、気性面の改善を行うために去勢しましたし、ここのところずっと岩部純二騎手に固定して、ゲート練習も入念に行うなど、陣営も色々と試行錯誤しているんですが、今回はさらに残念な形になってしまいました」(別の記者)
これには西山オーナーも「能力の高い馬なのに、何で練習通りにゲートを出てくれないのだろうか?」と頭を抱えているようだ。“個性派”ニシノジャガーズが真の実力を発揮する日を楽しみに待ちたい。