エイシンヒカリ、ラブリーデイの追い切りに不安要素? 競馬評論家鈴木和幸の天皇賞(秋)追い切り診断
カムフィーはウッドで併せ馬、しかし、時計は72秒1-40秒9ー13秒3とまったく平凡。動きは軽快だったし、気迫も感じられたが、大一番の最終追い切りがこの程度では。5ヶ月の休み明けでもあるし、まったく強調するものがない。
クラレントはすでに7歳、もともとあまり調教駆けするタイプでもなく、坂路54秒1-39秒5-12秒7併入の追い切りにアピールするものはなかった。これでは実績のない2000メートルでもあるし、苦戦は免れまい。
木曜追いのサトノクラウンは、ウッド4F54秒1-39秒8-12秒6G強めと、静の最終追い切り。意識して控えたのは、先週モーリスと6Fからハード追いをやっているからと思われる。動きは力強く、気合乗りも休み明けを感じさせないほどだが、4ヶ月ぶりだし、4Fの短めならもう少し速い時計がほしかった気がする。
サトノノブレスはウッド4F54秒3-39秒4-12秒4のまったくの短め、上がり中心。物足りなさは残るが、前走2着時の最終追い切りもそうだったから、これがこの馬の仕上げパターン、心配あるまい。動きもきびきびとしている。今年は中日新聞杯、鳴尾記念と重賞2勝をしているし、前走のオールカマーも2着、そこいらにG1のこの相手でも、との期待をかけてもいいかも知れない。
前がふさがり、その不利がたたって前走の毎日王冠5着どまりのステファノス。この中間は時計2本、20日にはウッド5F69秒3-38秒6をマークして元気いっぱい。今週は同じくウッドでの併せ馬、先行していた僚馬を直線で捕らえ、半ばからいっぱいに追い出されるとグイグイとストライドを伸ばし、2馬身の先着。鋭いというよりパワー満点、追われるごとに加速がつく、もちろん、上積み十分、昨年2着時を思い出させる最高の追い切りだった。
札幌記念2着のあと、放牧にでて9月30日に美浦に戻ってきたモーリス。その後は坂路、ウッド併用で時計7本、併せ馬2回と豊富に乗り込んできた。今週はウッドでの最終仕上げ。スワンSに出走予定のバクシンテイオーを1馬身先行させ、4コーナーで内に。半ばまで先に追い出した相手を見やりながら持ったままできて、G前仕掛けただけ。この反応鋭く、ゴールでは余力たっぷりに1馬身半の先着の5F68秒6-38秒6-12秒7。前半折り合いに専念させ、いっぱいには追わなかったのでこの程度の時計にとどまったが、その気ならいくらでも速い時計になったであろう脚勢。滞在競馬なのに寂しく見えた前走時とは違い、太いくらいに張りつめた馬体がとくに印象的で、G1・5勝めに向けて、準備万端整った。