JRA「大誤算」アーモンドアイに続き、エネイブルまで陥落……。“日英”最強牝馬、偉業達成に大きく立ちはだかる2つの「壁」
世界最強馬の始動戦は前途多難な再出発となった。
5日、イギリスのサンダウン競馬場で行われたエクリプスS(G1)はガイヤースの優勝で幕を閉じた。通算G1・3勝目の勝利となり、今年は3戦3勝とゴドルフィン所属の5歳馬が充実ぶりを世界中に知らしめた。
なお、昨年の凱旋門賞(G1)2着以来の実戦となったエネイブル(牝6歳、英・J.ゴスデン厩舎)は2着、日本馬のディアドラは5着に敗れた。
レースはガイヤースがハナを切り、エネイブルは4、5番手からレースを進める。最後の直線でエネイブルが追い出すも、差はなかなか縮まることなく、結局2馬身以上差がついたままガイヤースが逃げ切り勝ちを決めた。
昨年の凱旋門賞で史上初の3連覇に挑んだエネイブル。だが、ヴァルトガイストの2着に敗れて、快挙達成とはならなかった。この結果を受けて、昨年いっぱいでの引退予定を撤回し、今年も現役続行となった。当然、今年の最大目標は凱旋門賞だ。昨年も始動戦に選択し、見事に勝利したエクリプスSで今年も勢いをつけたいところだったが、予期せぬ敗戦。これは陣営にとっては痛手だろう。
だが、陣営にはそこまで悲観する様子はなく、「エネイブルは完璧なパフォーマンスで、いい走りで上がってきました。満足しています」とゴスデン調教師は話している。
「良くなるのは使ってからだとレース前から陣営は話していました。6歳牝馬ということで、調整が難しくなってきており、8か月ぶりの実戦では100%の能力を発揮できていないようですね。次走は25日に行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)を予定しています。3歳と5歳の時に制しているレースだけに、ここで負けるといよいよ凱旋門賞に暗雲が立ち込めます。真価が問われる1戦になりそうですね」(競馬記者)
最強牝馬のまさかの敗戦といえば、日本でも史上初の芝G1・8勝に挑んだアーモンドアイが安田記念(G1)で負けたばかり。意外にも、2頭には共通する2つの「壁」が立ちはだかることになりそうだ。