JRA兄は「幻」のクラシックホース!? ディープインパクト産駒 “実質”ラストイヤーの注目馬がセレクトセールに上場!
13日から14日まで2日間に渡り、北海道のノーザンホースパークにて日本最大の競走馬セリ市「セレクトセール2020」が開催される。
今年、当歳馬が初上場となる新種牡馬では、2016年の菊花賞(G1)、有馬記念(G1)の勝ち馬サトノダイヤモンド、同年のドバイターフ(G1)を制したリアルスティールの2頭に注目が集まる。
その一方で、今年がセレクトセールの上場ラストイヤーとなるのがキングカメハメハ産駒だ。昨年8月に他界した父は19年の種付けを体調不良により行っていないため、今年の1歳馬がラストクロップとなる。また、同様に昨年7月に他界したディープインパクトも、19年の種付け頭数が非常に限られているため、もしかすると今年の1歳馬が最後のセール上場となるかもしれない。
今年のセレクトセールにはディープインパクト産駒から13頭の1歳馬が上場する。その中でも、ウィキッドリーパーフェクトの2019に注目したい。
全兄のハートレーはデビューから2連勝でホープフルS(当時G2)を制した。デビュー戦で騎乗したR.ムーア騎手からは「もっと良くなりそうだし、この先も期待できそう。距離は2400mでも大丈夫。すごい素質を持っている」と高い評価をしており、クラシック候補の1頭と目された。
しかし、3歳初戦の共同通信杯(G3)では9着に惨敗。まさかの敗戦に、横山典弘騎手、手塚貴久調教師ともに「敗因はわからない」と首を傾げた。その後、左前跛行のため皐月賞の出走を回避することが発表され、放牧に出されることになった。
クラシック初戦は出走できなかったが、無事に美浦トレセンに帰厩したハートレー。だが、そこに追い打ちをかけるように左前脚球節部を骨折してしまい、全治6カ月の診断を受ける。結局、復帰できたのは前走から1年10か月後のディセンバーS(OP)。それから5走するも未勝利に終わり、かつての輝きを取り戻すことなく引退を迎えたのだ。
「ハートレーはもし順調にいっていれば、世代屈指の実力馬になっていた可能性は捨てきれません。それだけに残念な1頭です。今年セレクトセールに上場するウィキッドリーパーフェクトの2019はハートレー以来の父ディープインパクトとなります。これがラストチャンスとなりますので、弟こそはクラシックを無事に迎えてほしいですね。
現地でも、脚が長く体高があり、長い距離もこなしそうと評判です。まだ1歳馬ですので、来年のデビューに向けて順調に成長して欲しいですね」(競馬記者)
間違いなく、今年のセレクトセールで目玉となるディープインパクト産駒。昨年の1歳上場馬の平均落札価格は1億3000万円を超える人気銘柄だった。
今年のセールでは、ウィキッドリーパーフェクトの2019にいくらの値がつけられるのか注目したい。