JRA武豊に課せられた「200億ブランド」を守る使命!? セレクトセール「高額馬」を巡る悲惨すぎる裏事情とは……

「ワールドプレミアは2016年のセレクトセールで、大塚亮一オーナーが2億5920万円で落札した良血馬ですが、歴代で35番目の高額でした。セレクトセールでは毎年100億円以上のお金が動き、昨年の全体売上はついに200億超えと売上は右肩上がりです。

しかし、その“裏側”で実は以前から『セレクトセールの高額落札馬は走らない』というジンクスがあるんです。だからこそ、このワールドプレミアの菊花賞勝利は、セレクトセールを主催する日本競走馬協会にとっても非常に意義の高い勝利だったと思いますよ」(競馬記者)

 実際に歴代35位という高額で落札されたワールドプレミアだが、実はそれ以上の高額で落札された34頭に「JRAのG1馬」は1頭もいないのだ。歴代31位の2億6250万円で落札されたトーセンスターダムが、キャリア晩年に豪州のエミレーツ(G1)を制しているが、これも日本で頭打ちになったからこそ、豪州に移籍したオーナーサイドの意地といえるだろう。

 セレクトセールで大金を叩いて超良血馬を競り落とす理由は、偏に「オーナーとしてG1を勝つ」という名誉と名声、そして金銭を手に入れるためである。

 しかし、2006年に歴代最高となる6億3000万円で落札されたディナシーを筆頭に、ワールドプレミアの2億5920万円を超える価格で落札された超高額馬は、尽く苦戦しているのが実情だ。

 JRAの重賞勝ちでさえ、歴代26位の2億7000万円で落札されたダノンチェイサーが、昨年のきさらぎ賞(G3)を勝って、ようやく一矢報いたところである。

 この本末転倒な現状はある意味、セレクトセールそのものの存在意義を揺るがしかねない状況といえるだろう。科学的な根拠はないものの、金を積めば積むほどG1勝利という「夢」からは遠ざかってしまうことは、それそこ“夢の残骸”という歴史が物語っている。

 一方で、そんな問題を一気に解決できる期待を背負っているのが、2017年に歴代2位の6億2640万円で落札されたアドマイヤビルゴだ。

 この春は、武豊騎手とのコンビでデビュー戦と若葉S(L)を勝利。日本ダービー(G1)出走に向けた京都新聞杯(G2)では、重賞初挑戦ながら単勝1.4倍の支持を集めた大器だ。残念ながら、4着に敗れてしまいダービー出走も露と消えたが、まだまだこれからの存在である。

 もしアドマイヤビルゴが今後大活躍すれば、セレクトセールの威厳も一気に回復するというものだ。現在休養中のワールドプレミアも含め、超高額馬の活躍、そして2頭の主戦を務める武豊騎手の奮起に期待して秋を待ちたい。

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