JRA武豊でデビュー濃厚!? マイラプソディの半妹をあのオーナーが執念の落札! 兄の「悪夢」を払拭することはできるか
13日、苫小牧市のノーザンホースパークで開幕した日本最大のサラブレッド市場・セレクトセール2020の1歳馬セールにて、上場番号36番・テディーズプロミスの2019(牝)が2億4000万円で落札された。
7000万円から開始されたセリは、激しい競り合いとなったが最終的に2億4000万円で落札したのは(株)キーファーズだった。父ディープインパクトは2019年に亡くなったため、残された産駒は1歳馬と当歳馬の世代のみ。それだけに他の同馬産駒も高騰に拍車がかかりそうだ。
テディーズプロミス産駒といえば、一躍その名を轟かせたのがマイラプソディの活躍だろう。武豊騎手とのコンビでデビューから無敗の3連勝で京都2歳S(G3)を制し、クラシック候補の呼び声が高かった。この年はマイラプソディ以外にも、ワーケア、クラヴァシュドール、ウーマンズハートらクラシック候補が多数現れ、ハーツクライ産駒の当たり年と話題になった。
ところが、前途洋々に見えた翌年に状況が一変する事態となった。マイラプソディは年明け初戦の共同通信杯(G3)を単勝オッズ1.5倍の断然人気の支持を受けながらも4着に敗退。原因不明の敗戦に武豊騎手も「ただ、走らなかった」と首をかしげるしかなかった。
それでも「それほど悲観する内容じゃない」と前向きに捉えたクラシック本番の皐月賞(G1)では13着に大敗。ついにコンビ解消となった日本ダービー(G1)では横山典弘騎手の手綱に替わり、そこでも9着と敗れてしまった。
デビューからの3連勝は強い内容だっただけに、突然走らなくなった原因はマイラプソディ自身にしかわからないかもしれない。当時無敵を誇った武豊騎手とディープインパクトのコンビに国内で唯一の黒星をつけたハーツクライの産駒であることも何かの因縁があったのだろうか。
しかし、テディーズプロミスの2019は兄マイラプソディと異なり、父がディープインパクトに替わったことは歓迎材料となりそうだ。今年のクラシックで不振に喘いだハーツクライ産駒とは対照的に、コントレイルが無敗でクラシック2冠を達成している。性別も牡馬から牝馬となり、兄とは一味違った活躍を見せてくれそうな期待がある。
「昨年あれだけ活躍していたハーツクライ産駒の大失速はさすがに意外でした。ハーツクライは自身も古馬になって本格化したように晩成型のイメージが強かったのですが、ジャスタウェイのようにイメージ通りのタイプもいれば、2歳から活躍すると、案外早熟タイプになるのかもしれませんね。
兄も所有したキーファーズがあえて妹を落札したこともこの血統への並々ならぬ強い思い入れを感じます。クラシックで不本意な結果に終わった兄の悪夢をどうしても払拭したいのでしょう」(競馬記者)
オーナーのキーファーズは武豊騎手の大ファンを公言しているだけに、おそらくデビュー戦は武豊騎手とコンビを組む可能性が非常に高いだろう。
今からデビューが待ち遠しい1頭になりそうだ。