JRA「6億円」の衝撃から3年、まさかの「名義変更」から2カ月。アドマイヤが“北の大地”で存在感を示す!
13日、北海道のノーザンホースパークで日本最大のサラブレッド競市「セレクトセール2020」の1歳馬セールが開催された。
ディープインパクト産駒からはフォエヴァーダーリングの2019(牡)が4億円、シーヴの2019(牡)が5億円で落札されるなど、高額落札馬が続々と誕生した。
そんな中、億越えの高額落札ではないが、ライラプスの2019(牡)の落札が一部のファンの間で話題になっている。
父にロードカナロアを持つライラプスの2019。母ライラプスは2005年のクイーンC(G3)の勝ち馬で、その母はフサイチエアデールという良血馬だ。近親には05年の朝日杯FS(G1)の勝ち馬フサイチリシャールや昨年の牝馬クラシックを盛り上げたビーチサンバなどがいる。
セレクトセールでライラプスの2019は3700万円で、近藤旬子オーナーによって落札された。現在、ロードカナロアの種付け料は2000万円、それに加えて良質な母系の血統を考えれば、3700万円はお値打ちかもしれない。だが、それ以上に話題となっているのが落札者だ。
昨年11月に他界した「アドマイヤ」の冠名で知られる近藤利一さんの妻である近藤旬子氏。現在、夫の忘れ形見である愛馬のオーナーを引き継いでおり、17年のセレクトセールで6億円の値がついて話題になったアドマイヤビルゴなども所有している。
だが、今年5月に近藤オーナーの所有馬の一部がワールドプレミアの馬主として知られる大塚亮一氏に名義変更されたことが明らかになった。そのため、現在の所有馬限りで馬主を退くのではと一部で噂されていたが、今回のセレクトセールで1歳馬を落札したということは今後も馬主を継続していくことになりそうだ。
「やはり近藤利一さんが所有していた馬をすべて引き継ぐとなると、かなりの頭数になるのでコストも労力も非常にかかることが予想されます。そのため、近藤利一さんと親交のあった大塚氏へと名義変更されたのだと思われます。
しかし、今年のセールで1歳馬を落札したということは馬主活動を続けることの表れのはずです。ぜひとも『アドマイヤ』の名前を日本競馬に残し続けてほしいものです」(競馬記者)
現在、近藤旬子オーナーの所有馬は31頭おり、すべてアドマイヤの冠名。そのうち6頭は今年デビューの2歳馬で、これからも競馬界を盛り上げていくことが期待される。
そして1歳馬もアドマイヤの名で活躍することを多くのファンが望んでいるのではないだろうか。