JRA「8冠」狙うアーモンドアイも血の宿命からは逃れられない!? 天皇賞・秋(G1)の復帰を危惧する声も……
史上初の芝G1・8勝目を狙った今年の安田記念(G1)を2着に敗れたアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)。同馬の秋の始動戦が11月1日に東京競馬場で行われる天皇賞・秋(G1)に決まったことを管理する国枝調教師が明かした。
コロナ禍の影響でドバイ国際競走が中止に追い込まれ、ヴィクトリアマイル(G1)で今年初戦を迎えたアーモンドアイ。単勝オッズ1.4倍の断然人気の支持に応え、2着サウンドキアラに4馬身差の圧勝劇で復帰戦を飾ると、陣営は返す刀で安田記念(G1)への参戦を決めた。
昨年、ロジクライの斜行の煽りを受けたことが致命傷となり、3着に敗れたレースのリベンジを目論んだが、1歳下のグランアレグリアの前に2馬身半差の完敗を喫してしまった。スタートの遅れがあったにせよ、スムーズなレース運びをした上で上がり3ハロンでも後れを取ったことは、アーモンドアイ時代の終焉を予感させる内容だったともいえるかもしれない。
安田記念から天皇賞・秋は昨年と同じローテーション。実際に圧勝した実績もあり、問題はなさそうに思える。
初年度からいきなりアーモンドアイという超大物を出し、翌年にもサートゥルナーリアを送り出したロードカナロア。現役時代に安田記念を勝利しているとはいえ辛勝。圧倒的な強さを見せていたのはやはりスプリント戦だ。当然ながら産駒にも距離の不安が付きまとった。だが、同産駒の代表格ともいえるアーモンドアイとサートゥルナーリアが揃って2400mで勝利を挙げたこともあり、距離への不安は沈静化していた。
だが、気になるのは古馬となってからのロードカナロア産駒に対する最近の関係者の評価である。
「サートゥルナーリアが宝塚記念を4着に敗れた際、C.ルメール騎手がレース後に距離がギリギリかもしれないとコメントしていました。おそらくアーモンドアイにしても本質的にベストとなるのはマイルでしょう。
ロードカナロア産駒が古馬となってから胴が詰まった体型になりやすいことを特徴としてあげる調教師もいるように、産駒のマイラー化を危惧する声を耳にすることが増えてきました。
渋った馬場で行われた安田記念、宝塚記念でアーモンドアイやサートゥルナーリアが精彩を欠いたことからもタフな競馬は得意といえないようです」(競馬記者)
昨年の天皇賞・秋は高速馬場での開催で、有利とされる内枠を引けたように運も味方していたアーモンドアイ。安田記念で不覚を取った天敵・グランアレグリアは短距離路線に進むことが濃厚なのは一安心かもしれない。
だが、これまでスタミナを要求されにくい条件で好走してきた。アーモンドアイのマイラー化が進んでいた場合、距離の限界を露呈する可能性もありそうだ