JRA武豊“施されたら施し返す”!? クイーンS(G3)サムシングジャストで北海道ラストイヤーの「名伯楽」にプレゼントなるか
8月2日、札幌競馬場でクイーンS(G3)が開催される。圧倒的な人気馬が不在で、フェアリーポルカ、スカーレットカラー、コントラチェックで上位人気を分け合う形になりそうだ。
しかし、そのうち2頭は前走で二桁着順に惨敗していることから、堅い軸と呼ぶには心許ない。例年、堅い決着の傾向にあるレースだが、今年は一波乱あってもおかしくないだろう。
そこで注目したいのがオープン入りを果たしたばかりのサムシングジャスト(牝4歳、栗東・松田国英厩舎)だ。
3歳秋に本格化の兆しを見せ始めたサムシングジャスト。1勝クラス、2勝クラスと連勝し、今年1月に新春S(3勝クラス)に出走した。結果は3着に敗れたが、勝ち馬とタイム差なしと悲観する内容ではなかった。そして、前走の初音S(3勝クラス)を上がり最速の末脚を繰り出して勝利し、クイーンSへとコマを進めた。
最終追い切りは、札幌芝コースで5ハロン59秒7、ラスト12秒3を記録。単走ながら、好時計をマークしていることから、洋芝適性も問題なさそうだ。
「デビュー時で480キロと牝馬にしては大柄な馬でしたが、昨秋からさらにボリュームアップして500キロを超える馬体へと成長しています。それに伴って、成績も上がってます。滞在競馬でカイバしっかり食べているようで、充実した馬体で出走できそうです。久々の重賞挑戦ですが、一発あってもおかしくないでしょう」(競馬記者)
今回、鞍上は初コンビの武豊騎手。追い切りにも跨っており、好感触を掴んでいるようだ。30日、自身のホームページの日記でサムシングジャストについて「前走の勝ちっぷりが上々で、昨日の追い切りでも勢いを感じました。チャンス十分でしょう」と重賞制覇に意気込んでいる。
続けて、「松田国英調教師はこの夏が最後の北海道シリーズだそうですが、意外なことに北の地での重賞は未勝利とのこと。お力になれればうれしいです」と綴っている。
松田調教師といえば、キングカメハメハ、ダイワスカーレットなどを手掛けた名伯楽。皐月賞(G1)を使わずにNHKマイルC(G1)から日本ダービー(G1)に向かう変則2冠の達成や、今年になっても火曜追い切りという新しい試みを行ったりと、競馬界に新たな風を吹き込んできた功労者でもある。
だが、意外にも北海道開催での重賞成績は【0,1,0,15】と未勝利で、馬券に絡んだのは1度のみと非常に相性が悪い。来年の2月で定年を迎える松田調教師にとって、残されたチャンスはわずかしかないのだ。
そのため、クロフネ、タニノギムレットと同じ「松国×武豊」タッグとなるサムシングジャストで、初の札幌重賞制覇にかかる期待は大きい。
先日、現役ジョッキーとしては初めて「スポーツ功労者顕彰」に選出されるなど、常に話題が絶えない武豊騎手。つぎは名伯楽に「新たな勲章」をプレゼントする番かもしれない。