JRA「職人」酒井学が明かしたハンデ戦の大ヒント。小倉記念(G3)サマーセント前走重賞制覇で「恵まれた52kg」も慎重になる理由とは
16日、小倉競馬の開幕に合わせ、夏のハンデ重賞・小倉記念(G3)が行われる。
「ハンデ重賞」といえば今夏、ノリに乗っている「職人」酒井学騎手に注目しない手はないだろう。コンビを組むのは、前走のマーメイドS(G3)で初重賞制覇を飾ったばかりのサマーセント(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
6月のマーメイドSでは3勝クラスの身でありながら、果敢に格上挑戦したサマーセント。逃げたナルハヤを追い掛ける形の2番手から力強く抜け出すと、最後は測ったようにセンテリュオの猛追をしのぎ切った。
あれから約2カ月。短期放牧でリフレッシュしたサマーセントは、栗東のCウッドで行われた1週前追い切りを消化。管理する斉藤崇史調教師も「一段とたくましくなった」と重賞連勝へ手応えを感じているようだ。
前走のマーメイドSで50kgだったハンデは、今回2kg増の52kg。それでも同じ4歳牝馬で、3勝クラスを勝ったばかりのランブリングアレーが53kgであることを考慮すれば、今回も「恵まれたハンデ」と言えるのではないだろうか。
鞍上は、サマーセントのマーメイドS勝利だけでなく、七夕賞(G3)を6番人気のヴァンケドミンゴで3着、極め付けは中京記念(G3)を18番人気のメイケイダイハードで勝利と、この夏のハンデ重賞で抜群の存在感を示している酒井騎手。
今回も“ハンデ職人”の手腕に大きな期待が懸かるが、肝心の本人はやや慎重になっているというから驚きだ。
「小回りは全然問題ないと思うんですけど、『馬場状態』ですよね――」
『netkeiba.com』の連載インタビュー企画『今週のface』に登場した酒井騎手。詳細はぜひ、本インタビューをご覧いただきたいが、サマーセントが勝ったマーメイドSは稍重だったが、他3勝はすべて良馬場だ。小倉は今週が開幕週であり、天気も雨の予報はない。絶好の馬場コンディションで行われそうだが、酒井騎手にとっては逆に、そこに不安があるという。
「酒井騎手曰く、軽ハンデの恩恵は良馬場よりも、馬場が悪化すればするほど恩恵が如実に出るそうです。
その言葉通り、酒井騎手がこの夏に結果を残したマーメイドSは稍重、七夕賞は重馬場、中京記念は発表こそ良馬場でしたが、京都競馬場の工事の関係で例年より長く開催していた阪神の後半だっただけに、決して良好な馬場とは言えない状況でした」(競馬記者)