JRA 3戦3勝でも「不向き?」アストラエンブレム関屋記念(G3)で重賞初Vへ! 新潟マイルと「苦手」輸送を克服できるか
今週末は、約1か月ぶりの3場開催。16日(日)には、小倉競馬場で小倉記念(G3)、新潟競馬場では関屋記念(G3)が行われる。
2つの重賞レースに計3頭を送り込むのは、今年わずか4勝と不振を極める小島茂之厩舎だ。小倉記念には、アウトライアーズとロードクエスト、そして関屋記念にはアストラエンブレム(セン7歳)が出走する。3頭の中で最も期待値が高いのはアストラエンブレムで間違いないだろう。
2歳時から重賞戦線で戦ってきた良血馬もすでに7歳。ここ1年以上はリステッドとオープン競走を主戦場としてきた。今回は約1年3か月ぶりの重賞レースで一発を狙う。
今年は3つのリステッド競走に出走し、3→2→1着と全て馬券圏内。前走は、今回と同じ舞台の谷川岳Sで、3年2か月ぶりの勝利を飾った。実はこの勝利は小島厩舎にとって、今年芝コースで挙げた唯一の勝利でもある(79戦1勝)。他の3勝はダートでのものだ(50戦3勝)。アストラエンブレムは、苦戦が続く小島厩舎の救世主となれるだろうか。
G1・2勝を誇る小島厩舎にG1初制覇をもたらしたのがアストラエンブレムの母ブラックエンブレムだった。舞台は2008年の秋華賞(G1)。ブラックエンブレムは、前哨戦のローズS(G2)で15着に大敗したこともあって、11番人気という低評価にとどまっていた。しかし、岩田康誠騎手を背に好位から見事に先頭でゴールすると、2~3着にも人気薄(8、16番人気)を引き連れて、3連単はG1史上2位となる1098万2020円という高配当。波乱の立役者となった。
そのブラックエンブレムのほとんどの仔を管理してきた小島厩舎。まさに厩舎所縁の血統でV字回復のきっかけを作りたいところだろう。
アストラエンブレムに騎乗するのは、関屋記念通算4勝の北村宏司騎手。テン乗りとなるが、2週前、そして1週前追い切りに跨っており、不安はない。12日(水)の最終追い切りには、小島調教師自らが跨り、感触を確かめた。
アストラエンブレム自身、新潟1600mは3戦3勝と好相性を誇る舞台。しかし、小島調教師はコース適性について「(長い直線は集中力が切れてしまうため)本来は不向き」と語っている。また、輸送もあまり得意ではなく、最終追い切りはテンションが上がり過ぎないよう軽めの調整だった。
アストラエンブレムにとって今回が重賞挑戦はちょうど10度目。これまで4歳時に惜しい2着が2度、2歳時に3着が1度ある。あと一歩及ばなかった重賞制覇へ、苦手の輸送と新潟マイルを克服し、低迷する小島厩舎に希望の光を灯したい。