JRAリスグラシュー妹が4歳夏に本格化! 「放馬→そのまま出走→勝利」の衝撃から一転、横山武史が取った秘策が炸裂!
30日、札幌12Rの支笏湖特別(2勝クラス・芝1800m)は3番人気アラスカ(牝4歳、美浦・萩原清厩舎)が優勝を飾った。
前走の北辰特別(1勝クラス)は返し馬の際に放馬したアラスカ。トラックを約1周走ったあとにつかまり、馬体検査が行われるも異常は見られず、そのままレースに出走することになった。だが、”想定外となったウォーミングアップ”の疲れを一切見せることなく、3馬身半差をつける大楽勝でポテンシャルの高さを見せつけた。
そして、今回は無事に返し馬を終えての出走となった。中団からレースを進めたアラスカは、4コーナーを外から進出すると大外で抜群の伸びで先行馬を差し切り勝ち。強い内容で2連勝を決めた。
4戦連続でコンビを組んだ横山武史騎手は「普段から返し馬が足りていないのかなと思って、そこを見直しました。通常の2倍くらい返し馬を行って、その効果がありました」と前走の反省を活かしての実戦だったことを明かしている。
放馬からの圧勝を決めたアラスカにとって2勝クラスは通過点に過ぎないのかもしれない。4歳夏を迎えた北の大地で本格化の兆しを見せつつある。
半姉のリスグラシューも4歳秋のエリザベス女王杯(G1)で初のG1タイトルを獲得した晩成型だった。この勝利で大舞台での惜敗続きにピリオドを打ち、本格化を印象付けた。更なる成長を遂げた5歳シーズンは宝塚記念(G1)、コックスプレート(G1)、有馬記念(G1)と3連勝し、年度代表馬に輝いた。
4歳シーズンでブレイクした姉を持つアラスカにとって、この連勝はいい流れと言えるだろう。また、成長曲線もリスグラシューに似ているかもしれない。
デビューから引退までの間に、リスグラシューの馬体重は432キロから468キロまでボリュームアップ。36キロも増量した馬体が有馬記念での圧巻の走りを生み出した一因である。ちなみに、4歳秋の始動戦ではプラス12キロ(デビュー時からプラス28キロ)と大きく馬体で増やしていた。
同じくアラスカもデビュー時は388キロと小柄な馬体だったが、現在は406キロまで成長。近2走はどちらもプラス4キロと馬体重を増やしており、この夏の成長を物語っている。
「返し馬で放馬したように、アラスカの課題となるのは気性面ですね。北海道開催は輸送がない分、馬にかかる負担が少ないのは合っているかもしれません。ただ、今回は横山武騎手があえて長めの返し馬でガス抜きをしたことが結果に出たのは収穫ですね。
“やんちゃ”なところは父オルフェーヴル譲り、成長曲線が半姉リスグラシューに似ているとなれば、おもしろい存在です。2頭とも有馬記念を圧勝した名馬なので、その血が爆発することに期待したいですね」(競馬記者)
夏の北海道で成長した馬体と、横山武騎手が編み出した“秘策”を武器に、アラスカが大舞台で活躍する日もそう遠くないかもしれない。