マイルCS(G1)はこの秋「最大の混戦」模様!? 超新星ネオリアリズム
その中でもこの夏の札幌記念(G2)でモーリスを破ったネオリアリズム(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)は、一気のG1制覇があってもまったく驚けない存在だろう。
前走の札幌記念は、全国の競馬ファンの度肝を抜いた走りだった。好スタートからハナを奪うと、そのまま逃げ切り勝ち。ノーマークの逃げで展開に恵まれた感は否めないが、それでも稍重の札幌で1000mを59.9秒で引っ張りながら、最後まで粘り切ることは並みの馬にできる芸当ではないだろう。
それも、後に同じ2000mで天皇賞馬となるモーリスに2馬身差の完勝劇。底知れぬポテンシャルを秘めたネオリアリズムに、世界NO.1騎手のR.ムーアが騎乗するとなれば、もう伏兵扱いはできない。同厩舎のモーリスの跡を受け継ぐ形で、堂々の新マイル王に名乗りを挙げる。
その上でカギを握るのが、キャリア初となるマイル戦への対応だ。その点で兄に安田記念(G1)を勝ったリアルインパクトがいる点は心強いが、いきなりの頂上決戦。世界のムーアがどう乗るかも要注目だ。
マイル戦に不安のある2頭と比較すれば、マイル戦を3連勝中のヤングマンパワー(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)には一日の長がある。
今年6月に多摩川S(1600万下)を勝ってオープン入りを果たすと、新潟の関屋記念(G3)で一気の重賞制覇。さらには前走の富士S(G3)で重賞連勝と勢いが止まらない。スニッツェル産駒という地味な血統のせいで、走っても走っても人気にならないヤングマンパワーだが、今回も伏兵扱いされるなら穴党にはおいしい馬になりそうだ。