JRA打倒コントレイルへ「キタサンブラック2世」ガロアクリークが“覇道”を行く!? 「大ピンチ」ダービー3着ヴェルトライゼンデの動向は……【セントライト記念(G2)展望】
21日(月)には、中山競馬場で菊花賞(G1)への重要なトライアル、セントライト記念(G2)が行われる。打倒コントレイルに向けて、新星は現れるだろうか。
距離は1ハロン違うが、今回と同じ中山が舞台の皐月賞(G1)で掲示板に載った2頭が実績面では頭一つ抜けている。
1頭目は、スプリングS(G2)覇者で、皐月賞では3着に入ったガロアクリーク(牡3歳、美浦・上原博之厩舎)だ。鞍上は、日本ダービーに続き川田将雅騎手が務める。
前走の日本ダービーは6着に敗れたガロアクリークだが、スプリングSからの過程がG1・7勝を挙げた名馬キタサンブラックに似ているとSNSなどで話題になっている。今年JRAの顕彰馬に選ばれた大先輩も、スプリングSを優勝し、皐月賞が3着、そして日本ダービーでは着外(14着)に敗れた。秋初戦がセントライト記念というところまで同じだ。
そのキタサンブラックは5年前のセントライト記念で6番人気の低評価を覆し、見事に優勝。5番人気で迎えた菊花賞でG1初制覇を飾った。その後の活躍はもはや説明不要だろう。
「長距離に不安説が出ていた点も共通点しています。キタサンブラックは、母の父がサクラバクシンオーだったため、常に距離不安が付きまといました。ガロアクリークも父が短距離色の強いキンシャサノキセキですから、同じく3000mの菊花賞は長すぎるとみられています。一方、セントライト記念で最大のライバルと目されるサトノフラッグは、血統的に長距離歓迎のタイプです」(競馬誌ライター)
皐月賞ではサリオスを抑え、2番人気に支持されたサトノフラッグ(牡3歳、美浦・国枝栄調教師)。弥生賞(G2)で強敵相手に差し切っており、中山実績ではガロアクリークに負けていない。しかし、皐月賞は5着、ダービーでは11着に敗れ、評価は急落。休み明けだが、ここは試金石の一戦といえるだろう。
「血統的にはガロアクリークとは対照的で、どちらかというと長距離志向です。父はディープインパクト、母バラダセールはアルゼンチンで2冠に輝いた名牝です。スタミナ勝負になれば、圧勝してもおかしくないでしょうね」(同)
サトノフラッグが秋初戦で強い勝ち方を見せることができれば、サリオス不在の菊花賞では、打倒コントレイルの1番手に再び躍り出る可能性もある。鞍上にはデビュー戦(6着)以来の戸崎圭太騎手を迎え、春の雪辱を期す。
“2強”を追うのが、3連勝中のバビット(牡3歳、栗東・浜田多実雄厩舎)だ。鞍上を務める団野大成騎手は、前走のラジオNIKKEI賞(G3)当日に落馬負傷。急遽、内田博幸騎手に乗替りとなった。その内田騎手は代打起用に見事応え、鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた。
団野騎手にとっては、さらに相手が強化された舞台で悔しさを晴らしたいだろう。バビットの父は11年前にこのレースを勝ったナカヤマフェスタ。その遺伝子をうまく引き継いでいれば、前走から2ハロンの距離延長はプラスとなる可能性が高そうだ。