【徹底考察】マイルCS(G1) ロードクエスト「マイル界のホープは富士Sで何故惨敗したのかを徹底解説。致命傷となった『2つのロス』とは」
『考察』
もしかしたら、本来はこのマイルCS(G1)を1番人気で迎えるはずだったのかもしれない。
近年稀に見るハイレベルと言われている3歳世代の中で、確固たる地位を築いていたロードクエスト。NHKマイルC(G1)2着という実績を引っ提げて挑んだ秋初戦の京成杯オータムH(G3)は、単勝2.8倍の1番人気に応えて見事に快勝。マイル路線に大きく名乗りを上げた。
だが”落とし穴”はその先に待っていた。
イスラボニータやヤングマンパワーなど、京成杯オータムHよりもさらにメンバーが強化されたにもかかわらず、単勝は2.1倍とますます支持が高まった前走の富士S(G3)。
だが、そこでロードクエストは11頭中の9着に惨敗し、一気に評価を下げている。
表面的な敗因は「最初の3ハロンが36.3秒という極端に遅い流れを後方から追走し、前にいた馬に高速上がりを使われたために成す術なく敗れた」とされている。実際に主戦の池添謙一騎手も「レースの上りが速くなって、この馬にはきつい競馬になってしまった」とコメントしているように、決して間違っているわけではないようにも思える。
ただ、何故こうなってしまったのかということに関しては、もう少し分析する必要がありそうだ。
まず、富士Sにおいてロードクエストは「出遅れた」といわれているが、厳密には出遅れていない。レースのVTRを見れば明らかだが、ゲート自体は普通に出ている。ただし、その直後にダッシュが付かず、大きく置かれているのだ。