【徹底考察】マイルCS(G1) ロードクエスト「マイル界のホープは富士Sで何故惨敗したのかを徹底解説。致命傷となった『2つのロス』とは」
つまりは、明らかに脚がなくなり「バテていた」ということだ。
これまで一度も「マイルが長い」どころか、2000mのホープフルSで2着、ハイレベルな日本ダービーでさえレッドエルディストやプロディガルサンと互角の競馬をしていたロードクエストが、何故富士Sでスタミナが切れたのか。それもスローペースを後方から競馬をして。
その答えこそが、『考察』で述べた「スタミナ的なロス」である。言い換えれば、道中でずっと力んでいたことが原因だ。そして、これが不可解な惨敗に終わった富士Sの最も大きな敗因と考えられる。
その上で率直に述べると、本馬にはスタート直後の不利がなければ、上がり1位を記録したガリバルディ以上の脚を使えていた可能性がある。少なくとも直線の入り口で一瞬伸びかけた脚は、相当なものだった。
無論、それで富士Sを勝てたのかと問われると、さすがに難しかったのではないか。事実、本馬と同じような位置から上がり最速の33.4秒を使ったガリバルディは、勝ち馬から0.3秒差の5着。先行馬に相当有利な流れであり、ロードクエストには33.1秒以上の脚が要求されたということだ。
ただし、スタート直後の不利がなければ、最低でも上位争いをしていた可能性は極めて高い。
したがって、富士Sは「度外視」して考えた方が良さそうだ。初の京都見参ながら陣営はすでに”栗東留学”を敢行しており、このレースに懸けている。3歳馬は斤量の恩恵が1kgになって以降、苦戦が続いているが軽視は禁物ではないだろうか。
(監修=永谷 研(美浦担当))