JRAスプリンターズS(G1)クリノガウディー「僥倖」三浦皇成騎乗! 初G1制覇へ向け人馬の「幸運」が勝利を呼び込む!?
まさに「僥倖(ぎょうこう)」とでもいうべきだろうか……。
セントウルS(G2)を見事な手綱捌きで勝利した三浦皇成騎手だが、セントウルS(G2)で騎乗したダノンスマッシュは本番のスプリンターズS(G1)で川田将雅騎手に乗り替わる事が決定していた。
騎乗馬のいない状態となっていた三浦騎手だったが、週が明けて状況は一変。クリノガウディーに騎乗する事が明らかになった。
クリノガウディーといえば、和田竜二騎手の高松宮記念(G1)1着降着(4着)が思い出されるが、今回は本馬に初騎乗となる三浦騎手。
さまざまな偶然が重なり、今回の騎乗が決まったという事だろうか。
一見、何の繋がりもないように思える人馬だが、三浦騎手は過去にクリノガウディーの母クリノビリオネアに騎乗。2勝を挙げているのだ。
そんな繋がりからかはわからないが、クリノガウディーへの騎乗が決まった三浦騎手。相棒は春のスプリント王に一度は手が掛かった実力馬だけに、乗り馬なしの状態から一変、G1初勝利のチャンスまで出てきたといえそうだ。
クリノガウディーは、実はここまで勝ち鞍は新馬戦の1勝のみ。朝日杯FS(G1)2着、中京記念(G3)2着と収得賞金を積み上げて重賞にチャレンジしてきた。
しかし、今回は中京記念の2着が出走馬決定賞金算出の対象期間から外れてしまい、4800万円から4000万円に。本来であれば収得賞金順で除外対象となっていたのだが、レーティング順位での滑り込みに成功。「僥倖」ともいえるスプリンターズSへの出走が決まった。
高松宮記念の1着降着後、3カ月の放牧を挟んだCBC賞(G3)は12着、続く関屋記念(G3)では最下位となる18着、前走のセントウルSでも7着に敗れている。
関屋記念のレース後、藤沢則雄調教師が「直線ではノドが『ゼーゼー』言ってたみたいです」とノド鳴りが心配されたが、前走騎乗した森裕太朗騎手のコメントからは問題なさそうだ。
高松宮記念時の状態に戻りつつある今回、もちろん狙うは「人馬初G1制覇」。
除外対象から、レーティング順位で救われたクリノガウディー。ダノンスマッシュの乗り替わりで、一時は乗り馬がいなくなった三浦騎手……高松宮記念で「幻(まぼろし)」となった勲章は、人馬の「幸運」によってもたらされるのかもしれない。