JRAアーモンドアイ「据え膳」天皇賞・秋(G1)敗退なら事実上の8冠消滅!? 窮地を予感させるノーザンファーム関係者の気になる発言……
先週は中山競馬場で行われたスプリンターズS(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気グランアレグリアが後方一気の差し切り勝ち。次走に予定しているマイルCS(G1)での春秋マイル王統一に弾みをつけた。
秋G1開幕を告げるレースを終え、俄然注目が集まるのは天皇賞・秋(G1)でJRA史上初の芝G1・8冠を目論むアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)だ。
ヴィクトリアマイル(G1)をノーステッキの4馬身差で制し、歴代最多タイの芝G1・7勝目をマークしたアーモンドアイ。安田記念(G1)で単独トップであるG1・8勝の偉業に挑んだが、初対決となったグランアレグリアの前に2馬身半差の完敗を喫した。
5歳秋を迎え、残された競走生活も長くない同馬にとって、天皇賞での悲願達成は最優先事項である。”幸い”にもサートゥルナーリアは回避が決定し、3歳の強豪サリオスもマイル路線を進むことが濃厚であるのも、アーモンドアイにとっては追い風となるだろう。
宝塚記念(G1)を圧勝したクロノジェネシス、昨年に続き今年の春の天皇賞(G1)を優勝して連覇を達成したフィエールマンらがライバルとなるが、アーモンドアイは昨年圧勝した舞台だけに、何としても勝利をしておきたいところ。
その一方、同馬がもし天皇賞で敗れることがあれば、事実上の「8冠消滅」の窮地に立たされる可能性も否定はできない。
まず第1に体質的な弱さからローテーションを詰めて使えないと言われていることだ。昨年にしても天皇賞優勝後に予定していた香港C(G1)を前に熱発。一転して有馬記念(G1)に出走したものの、9着に惨敗。今年もおそらく天皇賞後にもう1戦か、記録達成を機に引退という可能性もゼロではないかもしれない。
そこで気になるのはスプリンターズSを優勝したグランアレグリアの次走に対し、サンデーレーシング・吉田俊介代表が「今年の冬は外国のレースは使えそうにないので、次走はマイルCSになると思います」とコメントしたことである。同氏はノーザンファーム副代表でもあり、いわゆるノーザン系の馬への影響力は絶大だ。
発言内にある外国のレースといえば、おそらく昨年も予定されていた香港の可能性が非常に高い。となると、天皇賞後の選択肢は自ずと国内のレースに限定されると言っても過言ではない。
「香港のレースが使えない場合、国内のレースだとジャパンC(G1)、有馬記念(G1)が候補になるでしょう。
ですが、ジャパンCにはコントレイルが菊花賞後の出走を表明しています。デアリングタクトの参戦も十分考えられます。有馬記念にしても昨年惨敗したレースでもあり、陣営としては出来れば避けたいでしょう。
対する天皇賞はいわゆる使い分けによって『据え膳』状態ともいえるだけに、是が非でも勝っておきたいレースですね」(競馬記者)
アーモンドアイ陣営としては勿論、天皇賞を優勝して8冠達成がベストだ。
だが、仮にこれを取りこぼすようだと、クリア条件のハードルが一気に高くなることは避けられない。
昨年の有馬記念ではリスグラシュー、今年の安田記念ではグランアレグリアに完敗し、威厳に翳りが見えつつある女王にとっても天皇賞秋の舞台は正念場となりそうだ。