【徹底考察】ジャパンC(G1) キタサンブラック「キャリア唯一の大敗を喫した東京2400mは『鬼門』なのか。昨年の日本ダービーの走りを分析」
スタートで躓くアクシデントがあったものの、あとは自分の競馬を貫いての完敗。レース後に北村宏騎手が「スタートで躓きましたが、二の脚で2番手につけて、リラックスして走っていました。時計は速くなるだろうとは思っていましたが、自分のリズムを保つことを考えて乗りました。もう少し踏ん張れるかなとも思いましたが、まだ伸びしろがあり、これから成長していく馬だと思っています」とコメントしたように、まさに力負けといった内容だった。
上がり3ハロンの36.8秒は、稍重の宝塚記念と並んで本馬のワーストだが、先述したように大きな不利があったので度外視して良い。馬体重に関しても皐月賞から10kg増えていたが、次走のセントライト記念ではさらに12㎏増えた馬体で完勝しているだけに、特別重いということも考えにくい。
また、東京コースに関しては確かに日本ダービーで大敗しているが、デビュー戦と2戦目の500万下を快勝しているコース。特に2戦目は大逃げ馬の2番手追走という従来の逃げの競馬をして、後の日本ダービー2着馬サトノラーゼンに3馬身差で快勝しているだけに、決して東京コースに不安があるわけではないはずだ。
したがって、日本ダービーは多少の不利があったものの基本的には力負けであり、逆に述べれば力を付けた今ならば大きな死角はない。前走の京都大賞典では58㎏を背負いながらも、ラスト3ハロンを33.6秒でまとめており、高速決着にも対応は可能だ。
メンバーを見渡しても強力な逃げ馬は不在で、今回も主導権を握れることが濃厚。目標にされることは確かだが宝塚記念の走りを見る限り、そう簡単には崩れない。敗れるとすれば、外から速い上りで出し抜かれるケースか。逆に並びかけると、春の天皇賞で見せたような驚異的な勝負根性を発揮するだけに、ますます勝利が濃厚になる。
(監修=下田照雄(栗東担当))