JRAコントレイル年内出走なら「危険信号」!? 陣営「慎重に見極め」から読み解ける不安と次走とは……
25日、京都競馬場で開催された菊花賞(G1)は、コントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)がアリストテレスをクビ差で振り切り、史上8頭目の牡馬3冠を達成した。
デビューからの連勝を「7」に伸ばしたコントレイル。3冠達成の余韻に浸る間もなく、早くも次走に注目が集まっている。
矢作調教師は、日本ダービー直後に年内の予定を発表。「神戸新聞杯→菊花賞→ジャパンカップ」というローテーションを視野に入れていることを明かしていた。次走はジャパンカップが既定路線だったが、菊花賞が想像以上の激戦となり、予定変更の可能性が高まっている。
実際に矢作調教師は、菊花賞後の『デイリースポーツ』の取材に「この後はジャパンカップと考えていましたが、厳しいレースになりましたからね。慎重に状態を見極めたい。日本競馬の宝。もっと成長させられるように、ファンのみなさんに応援してもらえるように頑張りたい」と明言を避けた。
「コントレイルを生産したノースヒルズの前田幸治代表も今後について『矢作調教師と相談して馬本位で決める』と話しているように、無理をさせないという方針は一致しています。当初の目標だったジャパンカップに出走するなら、菊花賞から中3週。神戸新聞杯と菊花賞も中3週だったので、かなり詰まったローテーションとなってしまいます。京都の芝はだいぶ荒れていたので、疲労が相当たまっていてもおかしくないですね」(競馬誌ライター)
ジャパンカップを回避した場合、次に候補に挙がるのは有馬記念(G1)だろう。いまや年末の風物詩として、注目度の高さは随一となったグランプリレース。菊花賞から2か月と間隔も十分で、“ファンの期待に応える”という点でも、最適なレースといえるだろう。
しかし、有馬記念の舞台はコントレイルにとって必ずしもベストとは言えない。中山競馬場での過去2戦(ホープフルSと皐月賞)を振り返ってみても、絶対的な強さを見せたとは言い難く、2500mという距離も微妙に長く、コースもトリッキー。なにより、父ディープインパクトが初黒星を喫したのが、菊花賞後の有馬記念だった。
「実は、(もう1頭の無敗3冠馬)シンボリルドルフは3歳暮れの有馬記念を勝っていますが、菊花賞直後のジャパンカップで初めて黒星を喫しています。やはり3000mという長距離戦で死力を尽くした次の一戦は、目に見えない疲れがあるのでしょう。ジャパンカップか有馬記念に出てくるようなら、疑ってかかった方がいいかもしれません」(同)
コントレイル陣営は、シンボリルドルフとディープインパクトが菊花賞直後に黒星を喫したというデータは頭に入っているはず。だからこそ、次走に関して慎重に判断するだろう。疲労が抜けない場合は、今年は全休。コースや距離適性なども考えれば、来年の大阪杯(G1)から始動するという選択肢が最も現実的なのかもしれない。
果たして次走は、ジャパンカップか有馬記念か、それとも来年に持ち越されるか……。ファンとしては、はやる気持ちを抑えられないが、陣営はコントレイルにとって最善のレース選択をしてくれるだろう。