JRA菱田裕二騎手「距離誤認」疑惑から最低人気の逆転劇!? C.ルメール「伝説のダービー」彷彿の“神騎乗”で40万馬券演出!
1日、福島競馬場で行われた6R(1勝クラス)は、12番人気のテイストオブハニー(牝3歳、栗東・鮫島一歩厩舎)が優勝。単勝56.8倍の最低人気という下馬評を見事覆して見せ、三連単40万馬券の立役者となった。
鞍上の菱田裕二騎手にとっては、まさに“してやったり”の騎乗だった。
12頭立てで行われたダート2400mの一戦。まずまずのスタートを切ったテイストオブハニーは無理せず後方から。1800mの前走から大きく距離を延長したレースだっただけに、まずは慎重に入るのかと思われた。
しかし、最後方から2番手という位置取りで1周目の正面スタンド前の直線に入った際、ペースが落ち着いたと見るや否や、菱田騎手はテイストオブハニーを外に持ち出すと、先頭を窺う勢いで進出を開始。一気にハナへ躍り出ると、その後は最後まで先頭のまま押し切ってしまった。
レース後、今回がテイストオブハニーとの初コンビだった菱田騎手は「この馬の過去のレースを見て、長く脚を使うタイプだと思っていたので、その持ち味を活かそうと考えていました」と“奇襲”作戦を明かすと「その通りに上手くいって、最後まで頑張ってくれました」と、まさに作戦がハマったというコメント。最低人気馬に2勝目をプレゼントした。
「見事な騎乗でしたね。1周目の正面スタンド前の進出には驚かされましたが、向正面でしっかりペースを落ち着かせて、勝負所でロングスパートできたことが最大の勝因だと思います。
ダート2400mという特殊な条件ですが、ここ2走はクラスの壁にぶち当たっている印象だっただけに、この距離でメドが立ったことは大きい。この条件なら、上のクラスでも面白い存在になると思いますね。いや、お見事でした(笑)」(競馬記者)
また、レースを見守ったネット上のファンからも「菱田、やるな!」「これは菱田騎手の勝利」「最低人気か、やられました」と菱田騎手の奇襲に称賛の声が続々……。
中にはダート2400mのコースを2週する長距離戦だっただけに菱田騎手が「距離を間違えたのかと思った」という声もあった。
「実は2年前に、山田敬士騎手が新潟のダート2500m戦で距離を勘違いして、1周目のゴール前でスパートしてしまうという前代未聞の事案がありました。そんな山田騎手が昨日、騎乗機会3連勝と活躍しただけに“距離誤認事件”を思い出していたファンも多かったのではないでしょうか。
ただ今回の場合、菱田騎手はそれほど追っていませんし、レース後のコメントからも作戦通りだったことは明らか。最近、積極的に捲る競馬が目立っている菱田騎手ですが、今回も思い切った騎乗でしたね」(別の記者)
道中のスローペースを見切って早めに進出する大胆な作戦といえば、C.ルメール騎手がレイデオロで勝った2017年の日本ダービー(G1)が有名だ。