JRA天皇賞・秋(G1)北村友一「心の底から……」武豊の”サンデーR狩り“に恨み節!? クロノジェネシス痛恨出負け……致命的な不利も「審議」は点灯なし
1日、東京競馬場では第162回天皇賞・秋(G1)が行われ、C.ルメール騎手の1番人気アーモンドアイが優勝。この勝利により、競馬史上初となる芝G1・8勝を挙げる大偉業を達成した。
過去、現役時代にG1・7勝を達成したのはテイエムオペラオー、キタサンブラック、ジェンティルドンナ、ディープインパクト、ウオッカ、シンボリルドルフの6頭。競馬ファンなら誰もが一度は耳にしたことがあるだろう名馬である。
シンボリルドルフが7勝を達成して以降、多くの名馬が誕生しながらも芝G1・8勝を成し得た馬はいなかった。このことはいつしか「ルドルフの呪い」といわれるようになった。
しかし、競馬界に長らく立ちはだかった「8勝の壁」を初めて突破したのが、秋の天皇賞までに7勝を挙げていたアーモンドアイだ。
レース後、ルメール騎手は「信じられないパフォーマンス。毎回乗るときはプレッシャーが、ちょっと重たいです。G1・8勝は本当に取りたかった。この馬でいつも勝つ自信はあるけど、競馬はとても難しい」と最愛のパートナーを労いつつ、楽ではなかった心境を吐露した。
その一方、不本意な形でアーモンドアイの8冠の援護射撃をしてしまったのが、2着フィエールマンと3着クロノジェネシスのサンデーレーシング所属馬2頭だ。
スタートしてすぐに4番のダノンキングリーが外に寄れ、その煽りで隣にいた5番のウインブライトが外に押し出される格好になった。6番のフィエールマン、7番のクロノジェネシスも悪くないスタートだったが、好スタートを決めた8番のキセキが内へ切れ込んでウインブライトとの間に挟まれたため、2頭のポジションは大きく後退してしまう。
これを最大限利用したのが9番のアーモンドアイだ。内の5、6、7、8番がゴチャついてポッカリと空いた“Vロード”を通って外目の3番手につけることに成功。
とはいえ、ゴール前ではクロノジェネシス、フィエールマンの猛追を何とか凌ぎ切ったものの、あわや惜敗かというシーンを演出してしまった。絶対女王がこれまで見せて来た圧勝とは程遠い内容だったといえる。
「見事8冠を達成したアーモンドアイには敬意を表したいですが、昨年の安田記念を彷彿とさせる後味の悪さも残りました。あのときもスタートで外にいたロジクライが急激に内へ斜行して、大きな不利を受けたアーモンドアイは3着に敗れました。
幸運にも今回は加害馬であるキセキが、自身より内にいたお陰で事なきを得ましたが、もしキセキより内の枠からのスタートだったら、被害に遭っていた可能性もゼロとは言い切れません。
奇しくも物議を醸したのが、またしても武豊騎手の騎乗馬だったことも、何かの因縁でしょうか」(競馬記者)