JRA戸崎圭太「落馬」させた大井・矢野貴之がJBCスプリント(G1)サブノジュニアで“悪夢”払拭の勝利! 「ガンガン乗って、いい騎乗を見せてほしい」先輩のエールに応える会心騎乗!
1年前の「悪夢」を払拭するような勝利だった。
3日、大井競馬場で行われたJBCスプリント(G1)は、8番人気のサブノジュニア(牡6歳、大井・堀千亜樹厩舎)が優勝。地元大井の伏兵が、JRAの強豪を退けて初のG1制覇を飾った。
16頭立てで行われたダート1200mのスピード王決定戦。スタートでやや出負けした芝のスプリント王モズスーパーフレアが、二の脚の速さを活かして先頭へ。内からヒロシゲゴールド、外からノブワイルドなどが抵抗したため、レースは戦前の予想通りのハイペースとなった。
モズスーパーフレア先頭のまま、最後の直線へ。好位からマテラスカイが交わしにかかるが、さらに外からサブノジュニアが猛烈な勢いで伸びてくる。JRAのスピードスター2頭を一気に交わすと、そのままゴールへ飛び込んだ。
「ホントに、信じられないです」
レース後の勝利騎手インタビューでそう語ったのは、サブノジュニアの主戦・矢野貴之騎手だ。前哨戦の東京盃(G2)で5着に敗れていたこともあって、この日は8番人気の伏兵扱いだったが、「あそこまで突き抜けるとは……」と本人もサブノジュニアの末脚に驚きを隠せない様子だった。
矢野騎手にとって、昨年のJBC開催では“悪夢”のような出来事があった。
JBCレディスクラシック(G1)で騎乗したタイセイラナキラがスタート直後に内側へ斜行すると、モンペルデュに騎乗していた戸崎圭太騎手が落馬……。満員の浦和競馬場のスタンドから悲鳴が上がった。
その後、戸崎騎手は右肘の開放骨折と診断されて長期離脱。JRAのスター騎手を落馬負傷させてしまったことで、矢野騎手にはネット上でも一部のファンから心無いバッシングが浴びせられた。
「戸崎騎手と矢野騎手は、大井の先輩後輩でしたからね。過去に『競馬ラボ』で対談を行ったこともある間柄でしたし、高崎から南関東に移籍して苦戦していた矢野騎手に戸崎騎手がアドバイスして、それが飛躍の大きなきっかけになったとか。
どうしても競馬に落馬は付き物ですが、そんな先輩騎手に大怪我を負わせてしまったこともあって、矢野騎手もかなり悩んでいた時期があったようです」(競馬記者)