JRA【エリザベス女王杯(G1)展望】C.ルメール“強奪”ラッキーライラックVS M.デムーロ&ラヴズオンリーユー!「女王不在」3歳勢はノーチャンス!?

 15日、今年は阪神競馬場でエリザベス女王杯(G1)が開催される。2200mという距離は変わらないが、京都外回りから阪神内回りになることで、レースにどう影響を及ぼすだろうか。

 例年は「古馬 VS 3歳」という構図になりがち。しかし、今年の3歳勢は3冠馬デアリングタクトと昨年の2歳女王レシステンシアという2頭のG1馬が不在。今年はG1馬3頭が出走する古馬が中心になりそうだ。

 G1・3勝の実績が光るラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)は、M.デムーロ騎手とのコンビを解消。新たにC.ルメール騎手とコンビを結成し、このレース連覇を狙う。

 そのルメール騎手は、1日の天皇賞・秋(G1)をアーモンドアイで制覇。今秋のG1シリーズは4戦2勝、2着1回と絶好調だ。ただし、1番人気が濃厚のラッキーライラックは、昨年のエリザベス女王杯制覇後、5戦して「1-2-1-1」と取りこぼしも少なくない。

 唯一の着外は、6月の宝塚記念(G1)での6着。これは、渋った馬場が敗因で度外視していいだろう。ただし、確勝を期した前走の札幌記念(G2)では、2番手追走から直線で伸びきれず、3着に敗れた。

「前走は初の洋芝が合わなかったのかもしれません。5歳秋を迎え、衰えを見せている可能性も否定できませんが……。初騎乗となるルメール騎手の手綱さばきに注目したいですね」(競馬誌ライター)

 ラッキーライラックを奪われた形のM.デムーロ騎手は、引き続きラヴズオンリーユー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)とのコンビで昨年のオークス(G1)以来の勝利を狙う。

 休み明けで挑んだ昨年は堂々1番人気に支持されたが、ラッキーライラックから0秒2差の3着に敗れた。その後は、距離不足のヴィクトリアマイル(G1)で7着、鳴尾記念(G3)は2着、そして秋の始動戦、府中牝馬S(G2)で5着と精彩を欠いている。

 1週前追い切りでは素軽い動きを披露。叩き2戦目で上積みに期待できるだろう。デムーロ騎手としては、ラッキーライラックだけには負けたくないはず。徹底的にマークして、一矢報いたい。

 3頭目のG1馬がノームコア(牝5歳、美浦・萩原清厩舎)だ。

 昨年のヴィクトリアマイルをD.レーン騎手に導かれ制覇。今年は高松宮記念(G1)に挑戦したが、15着に大敗。その後は、連覇を狙ったヴィクトリアマイルで3着、安田記念(G1)4着とマイル路線で好走してきた。前走は距離をさらに延ばして札幌記念に出走。横山典弘騎手の好騎乗もあって、ペルシアンナイト、ラッキーライラックを抑え見事、先頭でゴールを駆け抜けた。

 課題は関西圏への長距離輸送だろう。2年前のエリザベス女王杯で5着に敗れるなど、これまで遠征競馬では結果が出ていない。京都外回りのほうが競馬はしやすかったか……。

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