JRAコントレイル陣営「出走するのは当然」ジャパンC(G1)アーモンドアイ迫られる究極選択!? 香港は「逃亡」か「挑戦」か? カレンブーケドール出走表明も……
1日に行われた天皇賞・秋(G1)を勝利し、史上初の芝G1・8勝の大偉業を達成したアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)の次走に大きな注目が集まっている。
『サンケイスポーツ』の取材によると、同馬を管理する国枝栄調教師は10日、「今週中に(放牧先のノーザンファーム天栄まで)様子を見に行くが、現状は未定。ただ、馬はいたって順調とのこと」と答えている。
次走はジャパンC(G1)か、招待状が届いている香港C(G1)が候補として挙がっているが、まだ最終的な決断は発表されていない。僚馬であるカレンブーケドールは、津村明秀騎手とのコンビでジャパンCへの参戦が発表されたが、はたして国枝厩舎は2頭出しとなるだろうか。
その一方、ライバル陣営からは8冠を成し遂げた女王に宣戦布告とも受け取れるメッセージが届いている。
デアリングタクトを育成した岡田スタッドの岡田牧雄代表は、秋華賞前に「アーモンドアイのように世代や性別を超えた存在になって欲しい」とコメント。さらに、デアリングタクト、コントレイルがともに3冠馬となり、「揃ってジャパンCでアーモンドアイと対決となれば夢のよう。いちファンとして想像しただけでワクワクするし、本当にそうなればいいなと思うよ」と、3冠馬3頭によるドリームマッチ実現を希望していた。
これに呼応するようにコントレイルが参戦を表明した際にも、「すごくうれしく思います。これでアーモンドアイも出てくれれば最高ですね」と喜びのコメントを出したのが先日のことである。
そして、このアーモンドアイ包囲網の追い打ちとなりそうなのが、コントレイルを管理している矢作芳人調教師が『サンケイスポーツ』に寄稿しているコラム『信は力なり』内での言葉だ。
詳細については本コラムをご覧頂きたいのだが、文中で矢作師は「テンポイント、トウショウボーイ、グリーングラスの3強対決に心を躍らせた高校生時代から、競馬は強い馬同士の対決こそが盛り上がるという考えであるし、世界チャンピオンの井上尚弥の『もっと強い相手と闘いたい』との言葉に激しく同意する性格なのだ。馬が健康であれば出走するのは当然だと思う。そして幸いオーナーも同じ気持ちだった」と持論を述べている。
これは早ければ、今週中にも次走を発表すると見られているアーモンドアイ陣営を意識しての発言といっても不思議ではないといえるかもしれない。
「ライバル陣営が対決を望んでいることもあり、ますますヒートアップしている状況ではありますが、アーモンドアイ陣営にとっては慎重にならざるを得ない決断かもしれません。最優先課題だった8冠こそ達成しましたが、香港C参戦は昨年も予定していたように既定路線でしょう。
仮に、世論に押される形で外堀を埋められる格好から出走して敗れでもしたら、折角手に入れた8冠の価値も薄れてしまいますし、香港遠征するにしても”空き巣”だ”使い分け”だといった風評被害に遭う可能性も十分あります。
勿論、出走して見事勝利を飾ることでそういった”雑音”を封じることも可能ですが、総合的に考えた場合、個人的にはメリットよりもリスクの方が大きい気がしますね」(競馬記者)
C.ルメール騎手が主戦を務めているサートゥルナーリアが池添謙一騎手とのコンビでジャパンC参戦が発表されたことも、アーモンドアイが出走するのではないかと期待されている理由でもある。
究極選択の答えが出る日まであとわずか。最終的な判断が香港だったとしても逃亡ではなく、挑戦であることに変わりはない。