JRA「負けたら言い続けられる」……最強牝馬“陥落”の記憶。ジャパンC(G1)アーモンドアイ「最強の証明」か、それとも「政権交代」か
12日、史上初の芝G1・8勝を達成したアーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)がジャパンC(G1)に参戦することが明らかになった。
すでにコントレイル、デアリングタクトが参戦を表明しているため、史上初となる3冠馬による三つ巴決戦となる。なお、アーモンドアイは同レースで引退することが決まっており、この対決が見られるのは最初で最後。歴史的なレースとなること間違いなしだ。
最強牝馬のアーモンドアイ、無敗3冠馬のコントレイルとデアリングタクトの夢の対決は「最強決定戦」と呼ぶにふさわしいだろう。3歳馬が世代交代を告げるのか、それともアーモンドアイが最強の証明をするのか、ジャパンCが待ち遠しい限りだ。
過去に3歳馬が最強牝馬を相手に世代交代を告げたレースとして思い出されるのは、9年前の有馬記念(G1)だ。
2011年の有馬記念はクラシック3冠を達成したオルフェーヴルが古馬初対戦ながら、堂々1番人気の支持を集めた。3月のスプリングS(G2)から5連勝している規格外の走りが評価されてのことだろう。
そして2番人気に推されたのが、G1・6勝の最強牝馬ブエナビスタだった。同年はヴィクトリアマイル(G1)で2着、宝塚記念(G1)で2着と惜敗続きだったが、前走のジャパンCで復活の勝利。有馬記念での引退が決定しており、ラストランで有終の美を飾れるか熱い視線が注がれた。
3冠馬か、最強牝馬か……。単勝オッズはオルフェーヴルが2.2倍、ブエナビスタが3.2倍と人気を2分した。
当時、池添謙一騎手は「(ブエナビスタに)負けたら、(負けたと)言い続けられる」と、最初で最後の対決に意気込んでいた。
その一方、岩田康誠騎手は「今回は三冠馬を含めメンバーが素晴らしいので少しのミスも許されないレースになりそうです」とコメント。こちらもオルフェーヴルを意識していることが窺える。
レースは先手を取ったアーネストリーがペースを作り、途中14秒台のラップが刻まれるほどの遅い流れとなった。そんな中、オルフェーヴルは後方11番手、ブエナビスタは4番手の位置取りからレースを進める。残り1000mを切ったところからレースは激流となり、究極の瞬発勝負となった。