JRAエリザベス女王杯を前に2020年牝馬勢力図を徹底解剖! アーモンドアイ・デアリングタクト・クロノジェネシス・グランアレグリアの【牝馬4強】に割って入るのは?

 アーモンドアイのジャパンカップ参戦で大きく盛り上がる日本競馬。無敗の三冠馬コントレイル、無敗の三冠牝馬デアリングタクト、そして現役最強馬アーモンドアイ、この3頭の激突は日本競馬史上稀に見る大一番であることは間違いない。

 そんなジャパンカップの話題で盛り上がる中、今週末は牝馬最強決定戦の位置づけにあるエリザベス女王杯が行われる。アーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクトが不在ではあるものの、昨年の優勝馬ラッキーライラック、昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー、札幌記念を快勝したノームコア、オールカマーで快勝したセンテリュオなど、なかなかの豪華メンバーと言えるだろう。

 今回はこのエリザベス女王杯を検証する前に、2020年現在の牝馬勢力図と力関係をまとめてみた。アーモンドアイを頂点とする牝馬の強豪たち、その力関係を把握することで、このエリザベス女王杯もより効果的に分析できるはずだ。


 現在JRAの牝馬戦線はアーモンドアイを頂点としている。JRAの芝G1レースを8勝という記録、秋の天皇賞は牡馬の強豪相手に2連覇を達成し、昨年のジャパンカップは世界レコードを樹立。海外遠征のドバイターフでも完勝とその実績は付け入る隙がない。5歳の牝馬であるがゆえにピークを越えたという声もあり、実際に春の安田記念はグランアレグリアに完敗している。しかし2000~2400mの中長距離路線では、アーモンドアイが現役最強という声は今も多い。

 逆に芝1200~1600mにおいては、安田記念とスプリンターズステークスを勝利したグランアレグリアが、現役ナンバー1なのは不動だろう。アーモンドアイに劣るものの、同馬はここまで桜花賞も含めG1レースを3勝。来週のマイルチャンピオンシップ次第で、さらに勲章が積み重なりそうだ。

 この2頭に続くのが、今年の大阪杯で2着、そして宝塚記念では2着に1秒もの差をつけて圧勝したクロノジェネシス。宝塚記念以外にも京都記念で牡馬相手に勝利しており、芝2000~2200mでは世代屈指の実力馬。距離適正がアーモンドアイと近いため同馬の影に隠れがちだが、アーモンドアイが引退した後には、デアリングタクトとともにJRAの牝馬戦線を引っ張っていく存在となりそうだ。

 現時点ではアーモンドアイ、グランアレグリア、クロノジェネシスが古馬牝馬のトップ3といったところ。この3頭に続くのが、昨年のエリザベス女王杯を制したラッキーライラックだ。デビューから4連勝で阪神ジュベナイルフィリーズやチューリップ賞を制すも、単勝1.8倍の桜花賞でアーモンドアイに完敗してから7連敗。しかし名手スミヨンに乗り替わった昨年のエリザベス女王杯で、見事完全復活の勝利。その後は香港ヴァーズ2着、大阪杯1着と着実に実績を重ねてきた。宝塚記念と札幌記念はともに完敗だったが、このエリザベス女王杯で連覇を達成すればG1レース4勝となる。

 さらに昨年の優駿牝馬(オークス)優勝馬ラヴズオンリーユーも注目の一頭だ。デビューから4戦4勝でオークスを勝利と素質は申し分なし。遠征したドバイでは、レースができずそのまま帰国するなどの不運、さらになかなか順調に使えない体質の弱さがネックも、良馬場で体調もベストなら侮れない存在である。

 そして意外な復活を見せたのが、昨年のヴィクトリアマイル優勝馬であり、この夏伝統の札幌記念(G2)を制したノームコアだろう。例年よりレベルは落ちるものの、ラッキーライラックやペルシアンナイトに勝利。札幌記念はレースレーティングが高いレースであり、過去に優勝した牝馬もエアグルーヴ、ファインモーション、ヘヴンリーロマンス、テイエムオーシャンと名牝ばかり。それだけにこの勝利は評価していい。また妹がクロノジェネシスという血統背景もあり、今後はどこかで姉妹対決が見られるかもしれない。

 その他のG1レース優勝馬を見てみると、まずモズスーパーフレアは高松宮記念の勝ち馬だが、1着降着による繰り上がりの優勝。実績として加算はされるものの、実力としては一歩割り引かざるを得ない。ダノンファンタジーは阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬だが、牡馬相手に実績を残していないのはマイナスだ。なおJRAの現役牝馬G1馬は、これらに海外遠征中のディアドラ、そして3歳馬デアリングタクトとレシステンシアを加えた11頭のみである。

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