JRAエリザベス女王杯(G1)起爆剤は「非根幹距離の鬼」!? 和田竜二「ストレスに感じたのか……」“気分屋”に振り回される「勝ち切れない2人」
ここまで3勝のウインマイティーは、デビューから3戦目の未勝利戦で初勝利。休み明けのエルフィンS(L)では7着に敗れたが、デイジー賞(1勝クラス)、忘れな草賞(L)と連勝し、オークス(G1)では3着と健闘した。
紫苑S(G3)は2番人気6着、秋華賞(G1)は3番人気9着と人気を裏切る形。しかし、オークス3着という成績からも世代の上位にいるのは間違いないだろう。
3走前のオークスからウインマイティーの手綱を握る和田竜二騎乗。今回のエリザベス女王杯でも騎乗するわけだが、和田騎手のエリザベス女王杯で記憶に残るのが3年前のクロコスミアだ。
2017年のエリザベス女王杯。フルゲートの18頭で行われたレースだった。
最内のクインズミラーグロが行く気を見せたため、これを行かせて2番手を追走したクロコスミア。3番手を離した逃げは一瞬2009年のクィーンスプマンテを思わせた。
しかし、道中でペースは緩み3コーナーで馬群が一塊に。クロコスミアがクインズミラーグロの外から先頭に並びかけた。
道中で最内を追走したモズカッチャンがクロコスミアの後ろから迫り、大外を回ってはミッキークイーンの追い込み。残り50mぐらいまでは先頭だったクロコスミアは、最後モズカッチャンにクビ差敗れ2着に惜敗した。
とはいえ、父ステイゴールドのスタミナを活かし切った好騎乗。9番人気ながら2着と、和田騎手の騎乗も光ったレースであった。
エリザベス女王杯では、その年から3年連続の2着となったクロコスミア。2018年が9番人気、2019年も7番人気と常に人気がない中での好成績だった。
そういう意味ではウインマイティーを管理する五十嵐調教師にも、エリザベス女王杯を人気薄で好走した思い出深い馬がいる。クィーンスプマンテが大逃げを打って逃げ切った年の2着馬テイエムプリキュアだ。2頭で「大逃げ」を打ったエリザベス女王杯。直線で逃げたクィーンスプマンテに並びかけた時は、あわやと思わせるシーンもあった。
こんな「勝ち切れない2人」であるが、ウインマイティーには心強いデータもある。
父にゴールドシップを持つ産駒たちは、ステイゴールドから受け継ぐスタミナを存分に持ち合わせているということだ。
今回延長 12-8-15-97 / 132
勝率9.1% 連対率15.2% 複勝率26.5%
単勝回収率195% 複勝回収率125%
今回短縮 3-7-9-60 / 79
勝率3.8% 連対率12.7% 複勝率24.1%
単勝回収率24% 複勝回収率102%
同距離 19-16-19-98 / 152
勝率12.5% 連対率23.0% 複勝率35.5%
単勝回収率107% 複勝回収率89%
データからは、「距離延長」での回収率が抜群。秋華賞からの200m延長はウインマイティーにとってプラスと働きそうだ。