「状態は過去最高」上昇度MAXで躍動するサウンズオブアース!現役屈指の善戦マンのどうしても足りない「あと一歩」を埋める2つの要素とは
10月10日に行なわれた京都大賞典(G2)。始動戦を勝利で飾り、大きな歓声を浴びるキタサンブラックと武豊騎手の傍らで、まるで淡々と”試走”を終えたかのように引き上げる馬がいた。
サウンズオブアース(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)とその鞍上M.デムーロ騎手である。
開幕週の京都競馬場で、さらには1000mの通過が62秒という絵に描いたようなスローペース。レースは結局、前に行った3頭で決まったが、後方の馬がほぼノーチャンスという中、一頭だけ猛然と脚を伸ばして0.2秒差の4着に食い込んだのがサウンズオブアースだ。
馬体重はデビュー以来、最高の510㎏。明らかに余裕のある体つきで、ここはまさに試走といった仕上がり具合だったが、そんな状態で見せた上がり3ハロン33.1秒の豪脚。そこには15着に沈んだ春の天皇賞(G1)の”傷”が完全に癒えた、この馬本来の姿があった。
誰もが「一歩足りない馬」という印象を持っているサウンズオブアース。実際に菊花賞(G1)と有馬記念(G1)の2着がありながら、主な勝ち鞍が500万下のはなみずき賞という「最強の2勝馬」である。
その一方で通算成績は[2.7.1.8]と馬券圏内は50%を上回り、掲示板を外したのも2度の天皇秋・春と未完成だった3歳の日本ダービー(G1)だけという堅実派。
昨年のジャパンC(G1)も1コーナーで大きな不利がありながらも、勝ち馬とは0.3秒差の5着と、今年もまともに走りさえすれば上位争いは必至だろう。だが、同時にいざ「勝ち切る」となると弱気にならざるを得ないのが、すっかり定着したこの馬のイメージだ。
しかし、実はここに来てサウンズオブアース陣営のテンションが”異様”に高い。