JRA有馬記念(G1)「失意」の池添謙一コンビ再結成ある!? サートゥルナーリア回避も強力代打登場か…… コントレイル脅かしたあの馬が参戦表明
史上初の三冠馬3頭の対決に空前の盛り上がりを見せたジャパンC(G1)もアーモンドアイの9冠達成とともに幕を閉じた。今週はダートのチャンピオンズC(G1)が開催されるが、競馬ファン誰もが固唾を飲んで見守った歴史的な一戦の後だけにトーンダウンは避けられそうにない。
気の早いファンの関心は有馬記念(G1)へと移りつつあるかもしれない。そんな暮れのグランプリに参戦表明している馬が集まり、出走メンバーの顔触れも徐々に分かり始めている。
とりわけ、その動向に大きな注目を集めていたのがサートゥルナーリアだった。当初は秋の天皇賞(G1)に使われる見込みだったが、宝塚記念(G1)の疲労が抜け切らないということでジャパンCに予定を変更。主戦のC.ルメール騎手ではなく池添謙一騎手とのコンビが発表され、アーモンドアイの参戦の伏線として考えられた。
だが、コンビ結成を「楽しみで仕方がないです」と喜んでいた池添騎手の想いは届かなかった。サートゥルナーリアは左後肢の飛節に腫れが見られたため、ジャパンCの回避が決定。有馬記念で池添騎手がそのまま騎乗するのか、それともルメール騎手に戻るのか、鞍上の行方にもファンの興味を惹くこととなった。
ところが2日、サートゥルナーリアの有馬記念回避が明らかになった。同馬はノーザンファームしがらきで調整されていたものの、脚元のトラブルで乗っていなかった期間が尾を引いた。万全な状態でも出走が叶わないとして、陣営は今後については年明けの番組と馬の状態を見て判断すると発表した。
牝馬が強い時代において、サートゥルナーリアは牡馬の大将格としての期待が高かった馬だ。振り返れば今年まだ2戦しかしていない。年明けの金鯱賞(G2)を快勝し、1番人気に推された宝塚記念(G1)は道悪に苦しみ4着。秋の巻き返しが期待されていただけに、昨年の有馬記念2着馬が出走できなくなったことは非常に残念というしかない。
その一方、名牝シーザリオの最高傑作といわれた馬の回避という悲報とは別に、オーソリティ(牡3、美浦・木村哲也厩舎)の参戦が決定したことは明るいニュースだろう。同馬の母ロザリンドはシーザリオの仔である。
古馬相手の重賞で苦戦を強いられていた3歳世代の勝利はシリウスS(G3)カフェファラオ、毎日王冠(G2)サリオス、アルゼンチン共和国杯(G2)オーソリティの3勝のみ。オーソリティがジャパンCに出走してくるようならコントレイルにとっても脅威になるのではないかと評価されてもいた。
「問題は鞍上が誰になるかですね。有馬記念にはラッキーライラック、フィエールマン、オーソリティとルメール騎手が騎乗していた馬が複数参戦を予定しています。今秋のG1でルメール騎手が大車輪の活躍をしていますから、この中から騎乗する馬が最も評価の高い馬と考えることも出来ます。
それにしてもシーザリオ一族の底力はさすがですね。サートゥルナーリアがいなくなってもこうしてロザリンドの仔からG1級の期待馬が誕生しています。大外から快勝した前走の内容から一発があっても驚けない存在でしょう」(競馬記者)
そこで第2の鞍上候補に浮上すると考えられるのが池添謙一騎手だ。クラシックではヴェルトライゼンデとコンビを組んだ池添騎手だが、オーソリティにはデビューから3戦で騎乗していた昵懇の仲でもある。
ルメール騎手がオーソリティに騎乗しなかった場合、再びコンビ結成の可能性も十分に考えられそうだ。