JRA阪神JF(G1)ソダシのパートナー、吉田隼人ってどんな騎手? 意外な実績と経歴、白毛馬との縁とは?

 今週行われる阪神JFは白毛のアイドルホース・ソダシに注目が集まっている。白毛馬として初めてG1レースを勝利できるか。もしこの快挙を達成できれば、日本を飛び越し世界中で話題を集めるだろう。

 そして、そのソダシの主戦騎手として注目されているのが、吉田隼人騎手だ。

 吉田隼人騎手は兄が現役騎手の吉田豊騎手という兄弟ジョッキーであるが、あまり表舞台に出ず裏開催を主戦にしているイメージがある。それもそのはず、今年JRAで81勝をあげ関東騎手リーディング2位につけているにも関わらず、今週の阪神ジュベナイルフィリーズが今年のG1レース初騎乗なのだ。

 吉田隼人騎手は2004年にデビュー、同期は川田将雅騎手、藤岡佑介騎手、津村明秀騎手と豪華な面々。美浦の堀井雅広厩舎に所属し、1年目は3勝と厳しい成績だったが、2005年には23勝、2006年には60勝と一気に飛躍。

 そのきっかけとなったのが「千明塾」だろう。この「千明塾」は元JRA騎手の坂井千明氏が、引退後に若手騎手を対象に実施していた講習会。レース翌週に、美浦トレーニングセンターにあるJRAの施設を借り、先週のレース映像を振り返りながら各ジョッキーの乗り方や位置取り、仕掛けなど様々な技術を伝授。若手ジョッキーの意識と技術の向上につながったと大きな評価を集めていた。

 この千明塾には吉田隼人騎手以外にも松岡正海騎手、石橋脩騎手、丹内祐次騎手、津村明秀騎手など多くの若手ジョッキーが当時参加し、その後大きく飛躍するに至った。

 吉田隼人騎手は今年12月6日時点でJRA通算951勝、重賞19勝でG1レースは2015年の有馬記念をゴールドアクターで制している。今年もこれまでにJRAの重賞レースを5勝しているが、年間重賞5勝はキャリアハイの成績。そして美浦所属騎手の中でも横山典弘騎手に続く勝利数となっている。

 そしてその内容も素晴らしい。函館記念(G3)を15番人気アドマイヤジャスタ、クイーンステークス(G3)を11番人気レッドアネモス。そしてソダシで札幌2歳ステークス(G3)とアルテミスステークス(G3)、京阪杯(G3)をフィアーノロマーノで勝利。5勝のうち1番人気は1頭のみだから、馬に恵まれただけではなく騎手としての実力もしっかりと備わっていると言えよう。

 吉田隼人騎手は関東の美浦所属だが、2018年秋から拠点を関西の栗東に移している。そして関西関係者から信頼を勝ち取り、今では欠かせない存在となった。今年81勝のうち10勝は栗東の友道康夫厩舎であり、この厩舎とのコンビでは勝率37%・連対率44.4%という好成績。ソダシの須貝尚介厩舎でも9勝で勝率27.3%・連対率36.4%を記録。武幸四郎厩舎では連対率57.9%とこちらも好相性。そして今年の重賞5勝もすべて関西馬でのものだ。

 関東より関西の騎手がハイレベルなのはご存知の通り。実際にリーディング1位から5位は関西所属騎手であり、その1位から5位の騎手はすべて100勝以上を記録しているのだ。そんな中に入って81勝をあげているが、これは関西リーディングでもM.デムーロ騎手や藤岡佑介騎手を上回る6位の好成績。今年の81勝は過去最高タイであり、このまま順調にいけば過去最多勝利は間違いなさそう。

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