ゴールドアクターの母、ヘイロンシン死亡。中小牧場で生まれたグランプリホースが、有馬記念で「最強」を目指す
昨年の有馬記念を制し、今年の同レースでも有力の1頭として人気確実のゴールドアクター(牡5 美浦・中川厩舎)。その母であるヘイロンシン(牝17歳)が、死んでいたことが明らかになった。
ヘイロンシンはゴールドアクターと同じくスクリーンヒーローの仔を体に宿していたが、産むことなくこの世を去った。実は、ゴールドアクターの馬主である居城要氏も今年6月に90歳で死去し、居城寿与氏にオーナーが移っている。
ヘイロンシンは父がキョウワアリシバ。この馬は米国の2冠馬Alyshebaの血を引くが、血の争いに勝てずほぼ絶滅の状態。現在の日本競馬のオープン以上の現役馬でキョウワアリシバの血を持っているのはゴールドアクターだけとすら言える。
しかし、スクリーンヒーローとの種付けにより牝馬三冠を達成したスティルインラブと似た血統構成を有するなど、北勝ファームの知恵もあってゴールドアクターを輩出。母であるヘイロンシンの評価も一気に向上した。残念だったのは、その後の衰弱で産駒を1頭も輩出できなかったことか。
ゴールドアクターが産まれた北海道新冠町の北勝ファームの現役馬は、全体でも20頭程度。それもほとんどがJRAではない地方競馬の競走馬で、JRAのG1どころか重賞に出走することさえ数年に一度あるかないかという典型的な中小牧場だ。
そんな北勝ファームで、障害レースながらJRAのオープン特別を勝った実績のあるヘイロンシンは期待の繁殖牝馬。そのヘイロンシンに当時、新種牡馬だったスクリーンヒーローを付けて産まれたのがゴールドアクターだった。