JRA朝日杯FS(G1)武豊に“捨てられ”チャンス到来!? ジュンブルースカイ「岩田康誠に乗り替わり」が大歓迎の理由
G1完全制覇まで、朝日杯FSとホープフルSを残すのみの武豊騎手。20日に阪神競馬場で開催される朝日杯FS(G1)では、ドゥラモンドとのコンビで“王手”に臨む。
デビュー2戦2勝のドゥラモンド。7月のデビュー戦はD.レーン騎手が、そして前走のアスター賞(1勝クラス)は、C.ルメール騎手が手綱を握った。そのルメール騎手はモントライゼに騎乗するため、今回は武豊騎手にお鉢が回ってきた形だ。
ところが、出走16頭の中には前走で武豊騎手が騎乗した馬が1頭だけいる。武豊騎手に“振られた”のがジュンブルースカイ(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
前走の東京スポーツ杯2歳S(G3)では、中団後方から伸びて、ダノンザキッドの3着に好走。武豊騎手と初めてコンビを組んだ2走前の萩S(L)でも、シュヴァリエローズの2着に入り、後にラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)を制したワンダフルタウンに先着している。
「おそらく武豊騎手はジュンブルースカイに騎乗する選択肢もあったと思いますが、同じドゥラメンテ産駒のドゥラモンドを選ぶ形になりました。やや使い詰めで来ているジュンブルースカイより、底を見せていないドゥラモンドの方により魅力を感じたのかもしれません。
ジュンブルースカイの鞍上には岩田康誠騎手が指名されました。武豊騎手と同様、G1制覇から遠ざかっていますが、この秋はカツジでスワンS(G2)を逃げ切ったり、マイルCS(G1)では十八番のイン突きでスカーレットカラーをあわやの4着に持ってきたりと、調子は悪くありません。惜敗が続くジュンブルースカイの新味を出してくれる可能性はあると思いますよ」(競馬記者)
ジュンブルースカイにとって、この乗り替わりはマイナスにはならないだろう。前走後に、武豊騎手は「レースが上手で、相手なりに走ってくれる馬です」とコメントを残しており、レースセンスは折り紙付き。むしろ、岩田康騎手への乗り替わりは、プラスに働く可能性の方が高い。
「岩田康騎手は、特にテン乗り時の成績がいいわけではありませんが、武豊騎手からの乗り替わり時はなぜか好走率が高いんです」(同)
実際に、岩田騎手の前走騎手別成績を見ると、「武豊→岩田康誠」の通算勝率は16.2%と優秀。これは100回以上騎乗機会のある騎手31人の中で堂々1位である。
【岩田康誠騎手、前走騎手別勝率ランキングTOP5】(100回以上の騎乗機会31騎手を対象)
1位 武豊 16.2%
2位 藤岡康太 15.9%
3位 松山弘平 15.3%
4位 四位洋文 14.8%
5位 福永祐一 14.3%
また、過去には武豊騎手からバトンを受けてG1を3度制覇(07年宝塚記念=アドマイヤムーン、08年安田記念=ウオッカ、10年皐月賞=ヴィクトワールピサ)。重賞ではないが、直近では5日の葉牡丹賞(1勝クラス)で、新馬戦で武騎手が騎乗したノースブリッジを勝利に導いている。
“傷心”ジュンブルースカイは、岩田騎手の手綱さばきで惜敗にピリオドを打ち、武豊騎手を見返すことはできるか。