「ハマりましたね」豪脚一閃!チャンピオンズC(G1)は伏兵サウンドトゥルーが「異次元の末脚」で突き抜ける!武豊騎手とアウォーディーはゴール線前戴冠スルリ……
だが、1000mの通過は昨年の60.2秒よりも若干遅いだけの60.6秒。逃げるモンドクラッセに、コパノリッキーが終始プレッシャーを掛け続ける厳しい流れ。それも昨年でさえ、最後の勝負所の手前となる800mから1200m区間では少しペースが落ち着いていたが、今年はそこで11秒台を連発する昨年以上の激流となった。
これを生み出したのが田辺裕信騎手のブライトラインで、コパノリッキーを交わしてモンドクラッセに競り掛けて行く様は、まるで予後不良で他界したタガノトネールを彷彿とさせる積極的な競馬。結果的にブライトラインは大きく離された最下位に敗れたため、この騎乗には賛否両論あるだろうが、レースの流れには多大な影響を与えた。
ブライトラインを振り切ったモンドクラッセが先頭のまま最後の直線へ。すでにコパノリッキーには手応えがなく、好位から内々を回っていたアスカノロマンが満を持す形でモンドクラッセを捕まえに行く。
しかし、モンドクラッセが必死に抵抗し先頭を譲れないでいると、馬群の真ん中から本命のアウォーディーが突き抜けて先頭に躍り出た。レースは、すでにゴール前。激流だっただけに抜け出すアウォーディーの脚も鈍いが、その足取りは力強く、アスカノロマンの抵抗も及びそうにない。
誰もが一瞬、武豊騎手騎乗の”新王者”が長期政権の幕開けを飾るのかと思われた。
だが、そこに後方から”飛んできた”サウンドトゥルーが、別次元の末脚で一瞬にして前を捕らえると先頭でゴール板を駆け抜ける。ゴール後しばらく、中京競馬場の大観衆はどよめきに包まれた。