【徹底考察スペシャル】香港カップ(G1) エイシンヒカリ「武豊騎手と連覇でフィナーレを飾る!最大のライバル・モーリス撃破に必要なのは『欲』を捨てること?」
1000mの通過は1000mの通過は60.8秒と、60.6秒だった昨年よりさらに遅い流れ。逃げ馬としては理想的なレースといえ、最後の直線に入るまでの運びはほぼ理想的の述べても過言ではなかったはずだ。
しかし、最後の直線以降、エイシンヒカリはまったく弾けることなく沈没。ワースト2位となる上がり3ハロン35.5秒は途中で抵抗を諦めた分、度外視できる。だが、それにしても不甲斐ない競馬だった。
【血統診断】
ディープインパクト×Storm Catは、今や日本を代表するニックス配合。本馬の他に日本ダービー馬のキズナ、エリザベス女王杯のラキシス、桜花賞馬アユサン、ドバイターフのリアルスティールに加え、プロディガルサンやサトノアラジンといった重賞級も幅広く輩出している。
これらの馬たちの活躍距離がマイルから2400m程度であることからも、やはりエイシンヒカリのベストディスタンスは2000m前後になりそうだ。
そこにグレイソヴリン系のカロと、リボー系のKey to the Mintが掛け合わされ、バランスの良いスピードとスタミナに、G1を勝ち切るための底力が加わっている。
ただ、同時に同じ逃げ馬ながらもキタサンブラックなどとは異なり戦績にムラがあるのも、このリボー系の影響を受けていると思われる。リボー系の大きな特徴は良くも悪くも気性の激しさで、勝つ時は大舞台でも本当に強い勝ち方をするが、逆に敗れた時は意外なほどの大敗を喫することも珍しくない。
日本でリボー系の逃げ馬といえば宝塚記念を勝ったタップダンスシチーが代表的だが、あの馬も重馬場のジャパンCを9馬身差で圧勝するなど、ハマった時は世界レベルの強さだったが、逆に負ける時はあっさり馬券圏外に惨敗するような存在だった。
戦績を見た限り、エイシンヒカリもそんな特徴を持っているようで、勝つ時は世界No.1の評価を受けるほど強いが、負ける時は自らレースをやめてしまい意外なほどの大敗を喫する傾向があるようだ。
≪結論≫
今年の天皇賞・秋の惨敗劇以降、陣営は敗因を明確なものにできていない。考察で述べた通り「レース前は間隔を開ければ大丈夫」と話していたが、そうではなかったため結果的に気性面、いうなればエイシンヒカリの「やる気」に答えを求める他なくなっている。