【徹底考察】阪神JF(G1)リスグラシュー「矢作調教師もご執心!? 前走の内容に見る着差以上の潜在能力と『たったひとつ』の不安」
重箱の隅をつつくなら、仮にこれまで経験のない短距離並のハイペースに持ち込まれたとすると、確実に好走可能とは言い切れない。過去3戦で最も前半3Fが早かったのは、未勝利を突破した前々走の34秒8。例えば出走予定のアリンナ、(抽選次第だが)エムオービーナスといった1400m以下のレースを34秒台前半のペースで逃げた経験のある馬が、玉砕寸前の逃げ争いを演じることはパターンとして考えられる。
実際、過去20年における阪神JFで最も前半のペースが早かったのは、阪神外回りコースで行われるようになった2006年以降で12年の34秒1。この時1番人気を背負って4着に負けたのは、同じくハーツクライ産駒のコレクターアイテムだった。母系の血統背景が違うので一概には言えないものの、リスグラシューがコレクターアイテムと同じ徹を踏む可能性はゼロとは言えない。馬券を買うのであれば、そのあたりのリスクも考慮して買い方を工夫するのが得策だろう。
(監修=下田照雄(栗東担当))