JRA池江“泰郎&泰寿”親子の「原点」京都金杯(G3)。36年ぶり勝利なら厩舎「復活」の狼煙!?

 1月5日(火)、中央競馬は東西の金杯で幕を開ける。今年は京都競馬場が改修工事中のため、京都金杯(G3)は、レース史上初めて中京競馬場で開催される。

 12月30日現在、『netkeiba.com』の想定1番人気に支持されているのが重賞初挑戦のシュリ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 年が明けて5歳を迎えるシュリ。これまでの8戦すべてで1番人気に支持されるなど、常に注目を浴びてきた素質馬だ。デビュー戦は3歳1月。1.5倍の圧倒的1番人気に支持され、難なく勝ち上がった。しかし、3歳時は3戦して勝ち鞍はその1つだけに終わった。

 4歳となった2020年は、シュリにとって飛躍の年となった。ローカルを中心に5戦して4勝。着実に階段を駆け上がり、前走のリゲルS(L)では、サトノフェイバーなど強豪馬相手に完勝。満を持して重賞初挑戦を果たす。

 管理するのは3冠馬オルフェーヴルなど、数々のG1馬を育ててきた池江泰寿調教師だ。これまで中山金杯(G3)は2勝しているが、地元の京都金杯は6戦して勝ったことがない。

 詳細については本サイトをご確認いただきたいのだが、池江調教師は『netkeiba.com』のインタビューコラム『今週のFace』にて、金杯への思いを次のように語っている。

「金杯を勝つとその年、縁起がいいですから。前の年の9月くらいから『どの馬を来年の金杯に出そうかな』って考えながらやっています。やっぱり金杯は1年の計なので、我々にとっても勝ちたいですね」

 競馬界では「1年の計は金杯にあり」とよくいわれるが、池江調教師にとって金杯は思い入れの強いレースの一つのようだ。特に地元関西圏で開催される「京都金杯」を勝ちたい気持ちは人一倍強いだろう。

「池江調教師の父は、あのディープインパクトを育てたことでも知られる池江泰郎氏です。その泰郎氏が調教師として重賞初制覇を遂げたのが1985年に京都で開催された金杯でした。

騎手を引退後、調教師の道に進んだ泰郎氏。当時はなかなか結果を出せていませんでした。しかし、85年の金杯をメジロトーマスで制し、翌86年にはメジロデュレンで菊花賞(G1)を制覇。メジロ牧場から絶大な信頼を得るきっかけになったと言ってもいいかもしれません。池江親子にとって、金杯は思い出のレースになっていると思います」(競馬誌ライター)

 1969年生まれの池江泰寿調教師は、当時15歳の青年。父が調教師として初めて制したそのレースはしっかり脳裏に刻まれているはずだ。

 ところが、池江親子にとって京都の金杯は85年を最後に縁がないレースとなっている。泰郎氏はメジロトーマスで制して以降、のべ13頭を“京都金杯”に出走させたが3着が1回あっただけで、結局2勝目は叶わなかった。

 息子の泰寿調教師も2016年にトーセンスターダム(1番人気)を出走させるなど、のべ6頭を送り込んできたが、全て馬券圏外に沈んでいる。今回は池江親子にとって、36年ぶりの悲願が懸かっているというわけだ。

 また、池江調教師は1年の最初の重賞レースで勢いもつけたいところ。池江厩舎は2015年から17年にかけて、3年連続で重賞10勝(合計30勝)という偉業を達成した。しかし、18年からは3年間で 合計11勝と一時の勢いは影を潜めている。

 前出のインタビューコラムで池江調教師はシュリについて、「いい状態で金杯を迎えられそうです」と語っており、池江ファミリーにとって36年ぶりの京都金杯勝利はもう目の前。

 父が調教師として飛躍するきっかけとなったレースで、息子は復活の狼煙を上げることはできるだろうか。

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